中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月23日
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【讀賣新聞が掲載した「未来小説 2020年 若者、職求め中国へ」について】
原題「[時事聚焦]《讀賣新聞》刊登未來小説:日本人將在中國打工(轉載)」天涯社区 国際観察板
1 名前:名無し人民@職は万里を越える 2010-5-21 7:55:00
※このスレの>>1は、日本国内の中国政府系華人紙『日本新華僑報』総編集長の蒋豊氏による堺屋太一「未来小説 2020年 若者、職求め中国へ」を紹介する記事の転載。ここでは、本文より小説のあらすじを要約した部分は割愛し、蒋豊氏の論評のみ翻訳して紹介する。
ちなみに蒋氏の記事全文は氏のブログで(中国語)。また堺屋氏の小説はこちらで確認できる。くだんの小説も突っ込みどころ満載ではあるが……。
日本の『讀賣新聞』にこの小説が掲載された背景を考えてみる。作家・堺屋太一が描写する2020年の日本の姿は、決して空想とは片付けられまい。
現在、日本の政治と経済は全てが閉塞感に覆われており、少子高齢化問題は日に日に深刻となっている。事態がこのまま推移すれば、日本は「悲劇のシナリオ」を描くよりほかはないであろう。
日本の三菱総合研究所のレポートによれば、たとえ日本で消費税が10%に引き上げられたとしても、規制緩和や社会保障制度の改革なしには、日本はやはり未来がないという。
いっぽう、隣国の中国においては、国の実力は日に日に増大し、毎年10%増に近い経済発展を維持し、2010年のGDPは日本を追い抜くとも見られている。※←本当に追い抜いたとされてますな。
いくら中国人の1人あたりGDPが日本の10分の1であるとしても、13億の人口が有する市場と内需の規模はやはり期待に値する。
この小説を訳出した後、私はある日本のメディア関係者の友人と雑談した。彼が突然、私に尋ねた。
「かつて中国の経済が悪かった時代、君たち中国人は大勢で日本へやって来た。この理屈は僕にもわかる。しかし現在、中国の経済はどんどん良くなった。 君たち中国人は、なぜまだ日本にいるんだい?」
私は笑いながら、以下の6文字の漢字を書いて示した。
「日本――接収――準備」
彼はその意味するところがわかり、沈黙し、愕然とした表情になった……。
2 名前:名無し人民@職は万里を越える 浙江省紹興29歳♂
なかなか面白い。
4 名前:名無し人民@職は万里を越える
中国の経済がもっと良くなったとしても、女の日本人しかいらない。
男はどうでもいい。
6 名前:名無し人民@職は万里を越える
この手の内容は、うちの国の人間をハイにさせがちだよね。
7 名前:名無し人民@職は万里を越える
>>6
昔はアメリカ人が日本人をハイにさせたけどな。
しかしこの小説の内容、仮に本当だとすると日本人どもが大量に中国に潜伏することになるんだろ。きっと(中国にとっての)災いのもとになる。
8 名前:名無し人民@職は万里を越える 内モンゴル40歳♂
この文章の重点は実のところ中国にあるわけではないだろう。ただ、日本社会の体制的な問題点を暴いているにすぎない。
将来の中国と日本が(生む問題は)この種の社会体制の問題が生む災難よりもずっと大きいだろうさ。
10 名前:名無し人民@職は万里を越える 19歳♂
>>8
そうだよね。この小説の目的は、日本社会に警鐘を鳴らすことに重点が置かれている。
現在の中国に勢いがあると言っても、俺たちは自国の欠点と不足点によく注意を払うべきで、改善の方法を考えるべきだ。
俺たちは、日本によるこの種のソフトな工作に騙されず、彼らの危機意識を学んで参考にして、自分たちの祖国をさらに安定的に素早く発展させるべきだ。※意訳
11 名前:名無し人民@職は万里を越える
「日本――接収――準備」。
……ふむふむ。
14 名前:名無し人民@職は万里を越える
とりあえず小説中におけるサッカー中国チームの未来に関する予測は、一片の真実性も存在しないと言えよう。
※元の小説の「中国チームのサッカーは強いんだ!」という記述について。
15 名前:名無し人民@職は万里を越える
>>14
いや、サッカーが例に出てるだけで、そういう風刺なんだって。
17 名前:名無し人民@職は万里を越える
>>4
>中国の経済がもっと良くなったとしても、
>女の日本人しかいらない。
貧乏な憤青は日本女なんて囲えないだろ。アホ女どもが日本の草食系男子を囲うかもしれんが。
そんな予言をしてみる。
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もう一つ。今度は上の>>1の文章の転載元である、
『日本新華僑報』の蒋豊氏のブログのコメント欄より、
おもしろいものをいくつか紹介してみたい。
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【日本の未来小説が「日本人は中国に出稼ぎする」と予測】
原題「日本未來小?預測日本人到華打工」 『蒋豊的博客』
http://blog.sina.com.cn/s/blog_615fb6320100ictj.html
※以下、コメ欄のみ。
3 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕 2010-05-03 15:48:23
中国は2060年になってやっと日本に追いつくくらいじゃないっすかね。
1900年の時点で人々が予測した21世紀の生活は、いまの世界でどこまで実現されていますか?仮に日本が衰退するとしても、我々も衰退しないとは言えないでしょう。
4 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
“「日本――接収――準備」”というのには、ちょっとゾッとしましたが。
◆蒋豊氏のレス
>>4
いえいえ。(「なぜ中国人は出て行かないのですか」などと)挑発されれば、こうやってやりかえしてやるしかないのですよ。
5 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
いいじゃないか。将来、日本人が中国に出稼ぎにくるなら歓迎するよ!
もしもそんな状態になれば(=そこまで中国が強くなるなら)アメリカ人だって中国のことを尊敬する。中国は世界の軍事や経済を握る、とね。
※「そんなことはありえない」というニュアンスで書いているらしい。
6 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
蒋先生。
自分は日本について創造力と進取の気概に溢れた国家だと想像しており、経済状況がここまで悲惨だとはこれまでに一度も想像したこともありませんでした。
これは自分にはわが中国の状況を連想させます。先生は文章の中で日本政府の欠点を書かれていますが、同様の問題は中国ではありふれたものです。しかも中国の不動産はどんどん加熱して(高すぎて社会問題になって)います。蒋先生は中国経済の未来についてはいかがお考えですか?
※この意見の背景を解説しておくと、中国には指桑罵槐という言葉があり、敢えて別の対象の問題点を指摘することで時の政府のご政道批判をする習慣が古来存在する。この発言者は今回の「日本だめぽ」記事が、婉曲に中国の政治を皮肉ったものではないかと考えているようだ。
余談ながら、最近仲良くなった中国の某出版社の編集者と喋っていて「キミが中国国内向けに、政府批判的な文章を書く場合は、蒋介石とか袁世凱を批判するフリをしたらいいと思うよw」と、まことに有益な指桑罵槐テクニックを教えてもらった。いつか使ってみたいもので……。
15 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
確かに。いまの中国は10年前や20年前と比べて、想像できないような速度で発展している。
しかし、このなかにどれほどのバブルがあることか。また、この発展は持続可能なものなのか。人を不安にさせるものがある。
バブル的な要素が多くなるほど、経済が衰退する可能性が大きくなる。バブルが大きくふくらむほど、はじけた時は目も当てられなくなる。
――安きに居て危うきを思う。更に況や、現在の我々は「安き」に居るわけですらない。貧富の差と地域格差はいまだに相当巨大なものだ。腐敗役人と悪徳商人もいまだ多い。
もちろん政府はこれらを頑張って解決しようとしているが、現在の体制が上記のような人間の温床になっている以上、解決の速度は経済成長の速度に追いつきはしない。
どれだけ解決しようとしても、問題は重くなるばかりだ。
16 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
本文中に出てきた日本のメディア関係者の質問はあまり友好的なものではないですね。
蒋さんが小説の話をしたのに対して、彼は「じゃあ、あんたは日本で働くな」と返す。日本人はまったくケツの穴が小さい。
しかし蒋さんが「日本接収準備」と返したのもいただけないな。もしも相手への反撃なら、自国への驕りが強すぎる。ユーモアのつもりで言ったのなら、相手は驚愕ではなく敵意を感じてしまった(から、黙った)のでは。
17 名前:名無し人民@堺屋太一の驚愕
日本ってなんでこんなに悲観的なんだろうね。
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中国人の日本イメージ
堺屋先生が猛烈な勢いで「日本オワタ!もうダメじゃ!もうダメなんじゃ!」と叫んでも、中国ネット掲示板のスレ住民はあまり関心がない様子。まあ、しょせん中国人にとっては外国のことですからね。どちらかというと、「こんなに中国持ち上げられているけど、まじかよ?!」というのがあるんじゃないでしょうか。
1978年、鄧小平は日本を訪問。新幹線を始めとする日本の先進国っぷりを目の当たりにして、改革開放を推進するモチベーションに高めたと伝えられていますが(参照リンク:日本語版ウィキペディア「トウ小平」)、今でも「日本=技術の国、先進国」というイメージは根強いです。通販番組でも「日本最先端技術で作られた***」みたいな怪しいグッズをたくさん売ってますし(笑)。
また昨年、「中国がGDP世界2位へ=日本は3位に転落」と報じられた時も、「いやいやいや、一人当たりGDPは日本が中国の10倍ですよ!」と浮かれ気分を戒める報道も多数。日本の巨額の公的債務やデフレ、高齢化に関する記事も結構多いですが、「日本オワタ論」を目にすると、「技術もあるし、世界的な大企業もたくさん。一人当たりGDPは中国の10倍。なんでそこまで悲観的になるのよ?!」という気持ちになるんじゃないでしょうか。
オモシロ日本論、海を渡る
もう一つ、抑えておきたいのは、日本のいろんな情報が中国に伝わっているということ。最近では日本のマスコミ、ニュースサイト、個人ブログなどでの中国情報紹介も山のようにありますが、一方の中国はなにせ13億人の大国。ボランティアで日本の記事を翻訳して紹介する人もごまんといますし、日本メディア報道をソースとした翻訳ニュースも結構あります。
その中でも活躍しているのが、今回ご紹介したスレの元ネタになった日本華字紙『日本新華僑報』の蒋豊総編集長。新聞やブログで日本のニュースや蒋氏の見識を披露しているのですが、「えっ、それは紹介しなくてもいいのではっっっ」というネタも多数。例えば……
細川ふみえの離婚に衝撃、「あんな巨乳でも夫を引き留めておけず」(レコードチャイナ)
かつて一世を風靡した巨乳アイドルといえば、飯島愛を思い出す。彼女は芸能界を引退した後、孤独な死を遂げた。同じ時代に活躍した細川もまた、離婚という憂き目に遭ってしまった。あの頃、裸一貫で来日した中国人たちは今、日本人より裕福な生活を送っている人もいる。それに比べ、彼女たちの「その後」を思うと何とも言えない気持ちになる。
日本は本当に“低IQ社会”に突入したのか?(レコードチャイナ)それをそんなにマジメに取り上げなくても……というネタ多数。しかも、人気コラムニスト・蒋豊氏の記事は環球網など大手ネットメディアに転載されることも多く、そこそこの数の読者に読まれているという……。
経済評論家の大前研一氏は「低IQ社会」という造語で、現代日本社会が集団規模で思考せず、学ぶことをせず、責任を取らなくなったという“知能低下”の傾向を嘆いている。
( …)
渋谷や原宿の街角にたむろする茶髪にミニスカートの女子学生たち。彼女らのボキャブラリーといえば「カワイイー」「スゴイー」「オイシイー」の3つだけである。これを低IQ化の世代と呼んでも誰も反対はしないだろう。
(これは決してどっちが優れているとかいう話じゃないです)
こういうおバカっぽい記事も日本に対する警戒感を薄めてくれそうでいいじゃないですか