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2011年01月25日
ネットをかけめぐった「ロリ乞食」ネタ
先日、ネット掲示板に『偶遇最純美“乞丐蘿莉”的一天』(最も汚れなく美しい「ロリ乞食」にたまたま出会った日)という書き込みが登場。またたく間に大手掲示板に転載され、「2011年初のネット事件」と称されるほどの盛り上がりに。
書き込みの内容はというと、北京市のある地下道で、17、8歳の女の子の物ごいに出会ったという話。元スレの転載はこちら(中国語、写真多数)。
「見ると、その女の子は超萌え萌えでかわいかった!映画「サンザシの恋」(チャン・イーモウ監督の映画、2010年9月公開)のヒロイン・静秋として出演できるよ、絶対。」「目の前に置かれた箱には、父はなくなり、母は病気です。善意あるみなさん、お助けください。1曲1元で歌いますと書かれていた」などの内容。さらにスレ主のその後の書き込みでは「処女を10万元(約125万円)で売りますと話していた」と話していたとも。
「釣りじゃね?」ネット住民の疑念
こんなかわいい子がかわいそうに……と素直に受け取る人もいれば、「いや、釣りっしょ?!」と疑う声も。本当に物ごいをしていたならばこんなきれいな顔を保っているはずがない(苦しい生活をしていると、お肌ぼろぼろになるんです)、着ている服はアディダス、靴はコンバースじゃん、カラコン入れてるよね、などなどツッコミの嵐。
で、そこからはカオスの連続。高級車乗り回している写真があったぞ~~~。やっぱり釣りだったんだ~~~という話が出てきたかと思うと、
自称「大学の同級生」による書き込みも登場。「あの子、私の同級生で韓碧瑶って言うの。お金持ちのお嬢様で学校のパンフレットの表紙を飾ったこともあった。お父さんが病気になったって聞いていたけど、こんなことになっていたなんて……」という「スレの内容は本当だよ」書き込みもあったり。
羅生門な中国の釣りスレ
中国には「五毛党」と呼ばれる人がいます。ネット掲示板に1つ書き込みごとに5毛(約6円)と安い給料をもらっているネットサクラのこと。通常は政治的なスレに沸いてくる人を指しますが、それとは別に「商業五毛党」も存在します。その活動には、ある企業を誹謗中傷したり、逆に持ち上げたりというわかりやすいものもあるのですが、ともかく話題を作ろうというナゾの活動もあるようで。
2009年、最大級の流行語となった「賈君鵬、お母さんがご飯食べに帰って来いって」(参考リンク)も、後にある広告会社関係者が「釣りでした。大成功!」と語っています。というわけで、この「ロリ乞食」も釣りじゃないかと疑ってしまうわけで。さらに言うと、「ロリ乞食の正体分かった!やっぱり釣りだった!」と言っている人も釣りに見えてくるわけで。もー、全部、釣りに見えてしまいます。まさに「羅生門」の世界。
ネット掲示板ばかりか、ネットメディアもカオス。もっともらしく「家族経営の企業は没落することも多く、大富豪の子女から一文無しになるケースも少なくない。『ロリ乞食』は社会の縮図だ」と解説する記事もあれば、「本当は金持ちの子女だ。芸能界デビュー間近!」と書いてある記事もあったり。
もーさっぱりわけわからん(;´_`;)
「ロリ乞食」が実際にインタビューに応じた記事などが出てから紹介しようかとも思ったのですが、待てば待つほどカオスが広がりそうなので、こんな感じでご紹介してみました。
*写真を見て、「ロリっていうほど幼くないだろ!」と思われるかもしれませんが、中国語の「蘿莉」(ロリ)は「子ども、子どもっぽい」ぐらいの意味で使われているよう。「私、童顔なの」と言う時に、「私、ロリ顔なの」と使われていたりするもよう。日本語の意味に支配されている私としては、びっくりするわけですが、まー、そういうことなのです。