中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月29日
マンションと孤独
江蘇省で検討されていた「ニート禁止」の条文もなかなか切ないものでしたが、「頻繁に帰省して親に会え!」と法律に盛り込まれる社会もなかなか切ないですね……。
報道によると、60歳以上の高齢者は現在、1億6700万人。うち半数が「空巣老人」と呼ばれる、老人のみで暮らす人々です。マンション・団地生活が一般的になるにつれ、2世代・3世代同居が当たり前だった時代も過ぎ去ってしまいました。
中国の公園にいくと、太極拳、ダンス、胡弓、お茶を飲んでだべるだけなどなど、さまざまな活動を楽しむ老人たちの姿を見ることができます。日本よりはまだ状況がいいのでは、と思ったりもするのですが、時代が変わっていくこと、老人たちがどんどん孤独になっていくことへの不安感は根強いようで。
高齢化先進国・日本にも解決策はない
一人っ子政策を実施している中国は、将来的に日本を抜く高齢化社会になると予想されていますが、現時点では日本のほうが全人口に占める老人比率は上。というわけで、「高齢化先進国」日本の現状は注目され、中国メディアが紹介することもたびたびです。医療など充実した側面もありますが、昨年明らかとなった高齢者失踪事件には、やはり日本の老人も孤独なんだとの印象を与えました。
例え、老人法に「帰省義務」が盛り込まれたとしても、罰則規定はありませんし、結局は何の影響も与えないでしょう。メディアで取り上げられて、「おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行かなきゃ」と思うぐらいでしょうか。もちろん、老いた両親、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんをもっと気にかけようとキャンペーンを貼ることはいいのですが、それ以上に大事なのは老人たちが楽しく生きていくための場、コミュニティを築くことではないでしょうか。もっとも残念ながら「高齢化先進国」日本もまったく達成出来ていない難題ではありますが……。
物の豊かさより心の豊かさというのは本当に今の日本にあてはまると思います
うちの近所では老人会のゲートボールとか旅行とかで老後ライフを楽しんでいるようで何よりです