中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月31日
昨年配備された「中国漁政310」は総トン数は2580トン、長さが108メートルでしたから、これら両船舶は「中国渔政310」よりも一回り小さいものではあります(参照リンク「大型漁業監視船、尖閣海域へ」(中国語翻訳者のつぶやき))。しかし、「海監23」には最新鋭の衛星通信設備、全船舶のネットワーク監視システムなどが搭載されており、小型という特徴をフルに生かした機動性に富んだものになっていると、中国広播網は報じています。
この海洋局北海分局は江蘇省と山東省の省界以北の渤海湾、山東半島、遼東半島を中心とした中国沿岸海域を管轄下としており、北朝鮮との国境付近沿岸海域、山東半島沖の韓国との境界線付近海域も含まれています。
今回中国海監15」と「中国海監23」が北海分局に配備されたのは、北朝鮮との国境付近沿岸や韓国との境界線付近海域で頻発している中国船舶拿捕事件や、昨年発生した中国漁船と韓国の警備艇との衝突事件を受けた対応であることは間違いないでしょう。
中国広播網は現に、今回両船舶の任務を「国の海洋権益を侵犯し、海域を不法使用し、海洋資源を損ね、海の公共施設を破壊するんどの行為について緊急監視を行い、海洋環境を保護すること」としており、北朝鮮や韓国をにらんだものであると言えます。現にこの引き渡し式後、「中国海監15」が任務海域に向かうことになっており、北朝鮮や韓国との境界線付近に配備されるものと見られます。
また中国広播網によると、「海監総隊が2000年以降実施している第1期・第2期船舶・航空機建造・購入計画によると、両期合わせて海洋監視船13隻の建造、5機の海洋監視用航空機の購入が予定されている」。「第1期の計画はすでに達成されている。また、第2期の計画のうち、すでに3隻の海洋監視船、3機の海洋監視用航空機の建造・購入が済んでおり、今年上半期でさらに4隻の海洋監視船が新たに配備されることになっている」と報じています。
上半期で配備される予定の4隻の海洋監視船がどこに配備されるかは明らかではないですが、2月ごろから毎年開催される南シナ海での定例の漁業監視活動や、尖閣諸島沖での漁業監視をにらんだものになることは間違いないでしょう。