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2011年02月08日
延安児女聯誼会とは?
メンバーの中には、毛沢東元国家主席の娘である李敏氏、周恩来元総理のめいである周秉徳氏、有名な歴史家郭沫若氏の娘である郭庶英氏など100人余りがおり、いわゆる「太子党(高級幹部の子弟)」の人たちの集団ともいえます。ただメンバーのほどんどは、ビジネスの世界にも、政治の世界にも属していないため、特別金持ちでも、地位が高いというわけでもないようで、「在野の高級幹部二世」とも呼ばれているのです。(参照リンク:「おしりが脳みそを決める延安児女聯誼会」(一五一十部落、2011年2月1日))
この「延安児女聯誼会」の中共中央に対する影響力というのは知り得ることはできないのですが、意見書を中共中央に提出できるぐらいの力を持っているわけですから、並みの影響力ではないことは容易に予測できます。
そのような一見保守的なイメージをもたれている「北京延安児女聯誼会」が、政治改革推進や、直接選挙を提案したわけですから、香港台湾メディアは一様に驚きを持ってこのニュースを伝えているのです。
政治改革の提案書
先の台湾メディアの報道では、この「延安児女聯誼会」が取りまとめた「われわれの18大に対する提案」と題する意見書は、
①中央紀律検査委員会を中央委員会と同じレベルにまで格上げし、腐敗取締りを有利に進められるようにする②中央政策委員会を設置して、党の制度政策に対する論証や企画を行うようにする
③全人代や全国政協を真に民意を代表する機関にする
などの内容が含まれています。
さらに驚いたことに意見書では、
末端の党委員会から中央委員会、政治局委員会、政治局常務委員会(中国共産党の最高指導部)まですべての委員会で、まず定員の二割に対して直接選挙を実施し、これを逐次拡大していき、最終的には定員すべてに対して直接選挙を実施するようにする。18大以降に直接選挙を試験的に行う。選挙については選挙監視委員会を組織して公正明大に行う