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2011年02月14日
しかし、問題は数々の製品が玉石混淆であること。OS一つとっても、WindowsCEを採用しているものもあれば、古いAndroid1.5を搭載した機種もあるので、購入には現物を確認することが絶対条件。さもなければ、ゴミを掴むこととなる。
今回は、少なくとも日本語化が容易であり、正規のアンドロイド機として通用することを条件とした。
結果、ノンブランドの8インチ版Android機をチョイス。価格は800元(約1万円)だった。
仕様は以下の通り。
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本体名称:IMX51_bbg(ソフトはショップカスタマイズ)
ディスプレイ:8インチ、800x600dot、TFT
タッチパネル:感圧タイプ(マルチタップ不可)
CPU:iMAX515 800MHz ARM A8
OS:アンドロイド2.2
内蔵RAM:512MB
内蔵ROM:4GB(MicroSDHC対応で、簡単に大容量への変更が可能との記載)
外付けメモリ:TFcard、2~32GB
(内蔵はMicroSDHC、外付けはTFcardとの表記。同一だと思われるのだが?)
通信機能:Wifi 802.11 b/g(3Gアダプターは非対応、Bluetooth無し)
マイク:内蔵
スピーカ:内蔵モノラル、外部:3.5mmステレオジャック
30pin iPad標準多機能コネクター付きケーブル 3種付属
・To PC接続:USB♂(USBドライブとして認識)
・To USB機器:USB♀(何がつなげるのか判らない)
・To AC充電器:充電電圧は9.5V
付属AC充電器:100-240V 9.5V 1.5A
内蔵電池 ポリマーリチウム電池:3900mAH
運用時間:輝度を約70%に設定した状態で、ほぼ4時間稼働
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購入後、事前にダウンロードしておいた日本語入力システム「Simeji」をマイクロSDからインストール。設定より言語表示を日本語を選んでリブートしたら、あっさり日本語化が完了した。
Wifi設定も簡単だったが、ちょっと感度が低いように感じられる。無線アクセスポイントから20cmも離れると、レベル表示が下がり始めてしまう。通常の使い方では信号強度が4段階表示の2程度しか表示されない。同じ距離でノートパソコンを使うと完全にフルマーク。自宅ならばともかく街中で無線LANに接続するには心配な感度だ。
Wifiがつながると、後はマーケットで便利機能を探索してカスタマイズすることになる。アンチウイルスソフトはAVGをマーケットからインストール。メニューの日本語表示は英語から機械的に翻訳したものなのか、「ANTI VIRUS」は 「アンチバイルス」 と表記された。これもご愛嬌か。
仕事でドキュメントビューワーとして使うのが第一目的のため、各種ファイルの表示も確認。ワード、エクセル、パワーポイントはQuickofficeでなんなく表示できた。
PDFもビュワーでOK。画像型でも、文字埋め込みタイプでも、フォント依存でも、一応表示が可能だった。画像の場合は解像度がオリジナルより低く表示されるという問題があるが、拡大しなければ支障ない範囲である。
メール機能だが、さすがGoogleアンドロイドというべきか。Gmailと一般メールが別ソフトになっていた。文字化けについては、なぜかSPAMメールだけが文字化けしていて、通常のメールは全てOK。これは賢いと感服した次第。
ブラウジングだが、FLASHもちゃんと動作し、Yahoo! JAPANのトップページの広告もばっちり見られた。ネットニュースをダウンロードすれば、オフラインでも読めるようにしてくれるギュー・ニュースをインストールし、ビジネスマシンが完成。
純正iPadとの比較
さてさて、最後に純正iPad所有者と自慢大会。意外や意外、これはもう当方の勝利だった。純正iPadではパソコンがないとファイルの移動や削除などの操作が難しい。写真を入れることはできるが、消せないなど面倒な部分が多数ある。一方、中華padは平板電脳(タブレットコンピュータ)の名前にふさわしく、ファイルエクスプローラまで使えてしまう。
データ編集を考えても、純正iPadはiTunes内での同期が基本であり、複数台のiPadで各種データを所持している場合には操作が複雑となる。中華padはマイクロSDカードさえ使用すれば、パソコンでカードの編集を行い、差し込むだけなので簡単に入れ替えが可能だ。
またマイクロSDを複数枚用意すれば、それを入れ替えるだけで簡単にデータを変更することができる。故障時には、カードを取り出すことでデータが救出できるのもメリット。iPadのメモリは内蔵型のため、故障するとデータを救出できない可能性もある。さらに付け加えるならば、iPadは内蔵メモリ容量で値段が大きく変わるが、マイクロSDカードは32GBでも1万円以下と安く、低価格での拡張が可能だ。
筐体を見ても中華Padに利点がある。iPadは9.7インチと大きい。匡体は頑丈だが重いという欠点がある。今回購入した中華padは8インチ。匡体は樹脂製で軽く、片手でも持ちやすい大きさとなっている。
番外1 もう1台買ってみた
今回の中華padが良かったので、これはいいともう1台、同じ物を同じ店で買った。だが同じ物は2度と買えないのがチャイナアングラマーケット。見た目はまったく同じように感じるが、よくよく見ると違う。
まあ、ハードとOSのBILD記号が同じだったので良しとしたい。どうせ日本語化してアプリを入れ替えるのだから、何が入っていても一緒だろう。現時点では問題は見当たらない。ちなみに化粧箱も含め、本体電源オフ時は表から見れば完全に同一である。
<比較>
電源ON画面:1台目・android2.2との表示。 2台目・APADと表示。
本体裏:1台目・なにも印刷無し。 2台目・純正iPadと同じ文面が印刷されている。
充電器:1台目・黒色の◎ピン。 2台目・純正iPad風の白色
(ちなみに変換プラグで日本対応にしている。iPadと同じくプラグ収納型のコンセントだが、回転部の接触が悪く充電不良となる。)
ケーブル:1台目・全て黒。 2台目・全て白。
・アプリケーション
電子書籍:1台目・Aldiko。 2台目・StarBooks。
オフィス:1台目・Quickoffice。 2台目・Document to go (Full version)。
PDFビューワー:1台目・Repligo Reader。 2台目・Adobe Showcase。
番外2 平板電脳広場で見つけた本機と良く似た物
ステレオスピーカ内蔵タイプ
→画面回転が左正右の3方向のみ。購入機は4方向回転で逆さまに出来る。
USB接続で3G可能と謳っているもの。
→購入機も機能はないが設定画面はある。アンドロイドOSをそのまま搭載しているためだ。他店で3Gカードを購入、うまく接続できなくとも苦情の言い様がない。
Bloutooth内蔵と書いてあるものの対応機器が無く店頭で接続確認できなかった品。
→購入機にも設定画面はあるが、どのように設定してみても電波は出なかった。
GPS内蔵というものの、売り場が屋内のため動作確認できなかった品。
→購入機にもナビソフトは入っているが、GPSユニットが入っていないので動作しない。外付けのUSB-GPSも付けて見たが、ドライバーがWindows用しか無いので認識させられなかった。
電源コネクターが単独◎ピンタイプ。
→9V系だから本機よりも親切と言えるのではないだろうか。iPadのケーブルと間違うことがない
有線LAN対応の品。
→本体の一部が異常に膨らんでおり、直接にLANケーブルが挿せるようになっている物。フラットケーブルを差し込んでその先にLANコネクターがついている物。USBコネクターがあり、USB-LANアダプターが付属している者と様々な方式があった。
日本語対応について聞くと、「日本語で欲しければ明日来てくれ。用意しておく」と言われたが、これは危険なので要注意。マニアックな店員が中味から書き直して設定してくれるのだろうから、これでは後日、トラブルがあった際にどうにもならない。「明日来る時間はないから」とご遠慮申し上げた。
番外3 中華Padの値段を考えて見る
本体800元(約1万円)を2台購入
中国版ポケットWifi「HUAWEI E5」を780元(約9750円)で購入
チャイナユニコムのSIMカード700元(約8750円)
しめて日本円で約3万8500円。本体が2台あり、中国携帯ネットワークでのデータ通信も可能なのに、純正iPadの1台分よりもお安いとあっては、これはもう十分に満足といえる。
でもいつ壊れるか、爆発したりしないかという不安があるし・・・
機能では勝ってるんだからもうちょっと頑張ってほしいところ