中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年02月09日
中国、最高時速1000キロの真空リニア開発へ(中国網、2011年1月31日)
四川省の西南交通大学は現在、真空状態のパイプの中を走行する高速リニアモーターカーの開発に取り組んでいる。2、3年後に時速600-1000キロの「真空リニア」の模型を公開、10年後には実用化される見通し。
この記事に鋭くツッコんでいるのが、「陳永東のブログ」の記事「中国が時速1000キロの列車を開発しているというのはニセ・ニュース」(2011年1月30日)。
半年前にもう報道があった?
・2010年8月段階で、法制晩報、新聞晨報、新快報が時速1000キロ列車については報じていた。
→2011年1月の報道は恐らく8月の報道のたんなるパクリ。中身もそっくりで、おそらくは追加取材などなし。
つーか、時速1000キロ列車開発者(?)の怒りのインタビューがあった
・2010年9月20日付科学時報に、「真空リニア」開発者・沈志雲院士のインタビューあり。
・時速1000キロどころか、400~600キロを目指す「真空トンネル」の開発にもまだ着手していない。
・とはいえ、通常の高速化には限界があり、将来はかならず「真空トンネル」が主流となるはず。そう考え研究を続けている。
・10年後に実用化などのタイムスケジュールはない。科学は一歩一歩積み重ねるもの。勝手にウソの報道をするな。
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「真空リニア」のニュースで思い出したのが昨年、結構話題となった「立体バス」のニュース(参考過去記事:「あの「立体バス」、来年から運用開始へ?!天下の朝日新聞様が釣られているッッッ」)。
*立体バス開発計画を発表した開発企業・華世未来泊車設備有限公司のウェブサイト。
絵面があまりにも面白すぎて、世界各国の新聞が取り上げるほどの盛り上がりとなりました。中国でも、やれ2011年から実用試験だ、**市で導入が決まったとかかしましかったのですが、今はほぼ収束しております。
まあ、こういう技術系オモシロニュースは中国メディアには時々出現するものなので、ニセニュース流しやがって!と怒るのではなく、面白がるのが正しい読み方なんでしょうね。