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中国ハッカー集団「ナイト・ドラゴン」、欧米エネルギー企業5社のコンピュータから情報盗む―米セキュリティ企業

2011年02月11日

2011年2月10日、米ネットセキュリティ大手マカフィーは、中国のハッカーが欧米のエネルギー大手5社のコンピューターをハッキングしているとの報告書を発表した。


China - Internet Cafe (网吧) / eviltomthai


ハッキングは遅くとも2009年末には始まっていたという。油田の運営、入札、資金調達などの情報が盗まれたと見られている。マカフィーはこのハッカーグループを「ナイト・ドラゴン」(夜の龍)と命名した。ドラゴンは中国を意味する言葉。報告書ではハッキングのルートをさかのぼると、山東省のサーバを経由し北京に到達したと指摘しており、中国当局の関与を示唆する内容となっている。

中国ハッカーのニュースはもはや定番といってもいいだろう。昨年初頭、グーグルが中国本土からの撤退を表明した際、その理由としてあげられたのが同社が運営するGmailへのハッキング攻撃だった。軍との関係がある職業訓練学校のサーバが経由地として使われたと発表されるなど、Gmail問題でも当局の関与が強く疑われる結果となった。

海外では中国の国ぐるみのハッキングばかりがクローズアップされているが、一方、中国国内で注目されているのは「民間」ハッカー。詐欺のためのフィッシングサイトが横行しているほか、大手ウェブサイトにまでコンピューターウイルスが仕込まれていることも少なくない。また被害だけではなく、クレジットカード番号を盗み出したり、サーバに侵入するための技術を伝授するネットスクールが人気になるなど、仕事としてのハッカーにも注目が集まっている。

2月8日には、中国SNS最大手テンセントのメッセンジャーサービスQQのウェブサイトが、ハッカーに侵入された。ハッカーは「本システムは深刻なセキュリティホールがあります。管理者は私に連絡をとって、改善してください」とのコメントを残し、ご丁寧にも連絡先としてQQの個人アドレスまで書き残していた。

国家お抱えのハッカー、一般市民のハッキング被害、そして就職先としてのハッカーを目指す人々……。それに付け加えるならば、日々飛び交うデマにやらせ、そしてネット検閲。「ナイト・ドラゴン」というのならば、混迷極まる中国のネット状況こそがその名にふさわしいのかもしれない。

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