中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年02月21日
有給休暇も油断できません。「有給」なんだから仕事に来たときと同じ給料だろう!と思っているみなさん、甘いです。ロシアはそういうわけにはいきません。経理部にちゃんと仕事を与えなければならないという発想からか、国は給料計算のルールをケースバイケースでしっかり決めています。
有給休暇で休んだ日数分の支払いは直前の12ヶ月の一日当たりの単価(土日も含む)を出して計算されることになります。ということは、もし皆さんが1月からベースアップしてもらってさっそく1月に有給休暇をとると、損します。なぜならば、その有給分についてはベースアップ前の給料をもらうことになってしまうからです。
今日、自分の1月分の給料についてあるロシア人同僚が大騒ぎしました。1月からベースアップしたはずなのに、1月分の給料は去年もらっていた給料よりも減ってるじゃないか、と言うのです。
そうなんです。1月は実はやっかいな月です。
1月1日~1月10日ぐらいまでロシア全国は休みです。
そして、給料計算をするときは、その月の祝日や土日を引いた上で、実際の出勤日の一日当たりの単価を決めることになります。当然、祝日が多ければ多いほどその月は1日当たりの単価が高くなるのです。
要するに、1月のように、休みの多い月は、一日一日が他の月に比べて、高価金額になるわけです。
ただ、心配はございません!毎月の決められた給料金額を、日数から割り出しているだけですから、祝日や土日以外、普通に出勤していれば、普通にいつも通りの給料がもらえるわけです。
しかし、大騒ぎした同僚は実は1月にさらに4日間の有給休暇をとりました。
10日間も休みがある1月は、出勤した日の一日当たりの単価は高いことはすでに書いた通りです。ところが有給をとった4日間は前年のベースアップ前から割り出された単価(上で書いた有給休暇の給料計算のルール)で計算されることになるので、一日一日が安いんです。つまり、この同僚の場合は、1月に単価の高い出勤日のうち4日は単価の安い有給休暇に変わってしまったのです。
同僚は怒り爆発ですけど、経理部はいたって冷静。
「ルールはルール。イヤなら1月に有給休暇をとらないでください。それか、土日も有給扱いにしてください。有給休暇の残日数は減るけど、もらえるお金は増えます。なぜならば有給休暇中の土日も直前の12ヶ月の平均の給料が付くからです。」
ちなみに2月の有給休暇も損です。なぜならば、2月は28日(29日)しかないので、1月ほどでもないにしても一日当たりの単価が高いからです。
経理部が言うには、このようなルールは社員が一ヶ月まとめて(それが少なくとも2週間ずつという大きなまとまり)の有給休暇をとる前提で作られているそうです。長い休みだと土日もはさみ、そしてその土日に対してもお金が支給されるからです。
ロシアの一般的な給料計算のルールは社員にとって不利だと判断すれば「出張及び有給休暇の給料計算の結果、一ヶ月の給料金額が雇用契約の給料より安い金額になった場合は、その差額を支給」というルールを会社側が独自に導入できるそうです。
それにしてもロシアの給料計算はややこしい。勉強中のタチアナですけど、頭がパンク寸前になってしまうことがしばしば。
今日もおまけはスーパーに行く途中にある教会です!
*当記事は2月5日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。