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テロに便乗したぼったくりタクシーが横行=モスクワ空港テロ―ロシア駐在日記

2011年02月15日

今回のテロとモスクワの空港について

1月24日、モスクワのドモジェドボ空港でテロがありました。現時点での情報だと160人の死傷者が出ているそうです。普段よく利用している空港だけにショックでした。


/ aslakr


空港の入り口には金属探知機の門が設置してあるんですけれども、私の経験から言えば大部分の人はその門をくぐらずに、そのすぐ横を素通りしています警備員さんたちは見てみぬふりで退屈そうです…。

*当記事は2011年1月26日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。

しかし、モスクワの空港はいい加減かというとそうでもないと思います。飛行機に乗るときのチェックは非常に厳しいです。国際線だけじゃなくて国内線も液体の持ち込みを制限されているし、手荷物検査のところで必ず靴も脱がなければいけません。「空港スキャナー」も設置されています

ヘンな物を身に付けてないかというチェックのためだと思いますけど、乗客一人一人がそのスキャナーの中に入って手を上げた状態で全身チェックされます(どういう映像になっているかだいたい想像がつきますので、そのスキャナーをあまり通りたくないですけど…)。なので、実際の搭乗手続きとなると、モスクワの空港はけっこうしっかりしていると思います。

犯人もおそらくそういうことをよく下調べしていたのでしょう。だから荷物受け取り場付近という「人が大勢集まり」なおかつ「チェックがルーズなところ」を狙ったのだと思います。

言うまでもなく、テロはみんなにとって大きな衝撃となりました。しかし、もう一つ全国の話題になったことがあります。当時空港にいたタクシー運転手の一部がとった行動です。

それは、テロを金儲けのチャンスだと考え「モスクワ市内まで10.000~15.000ルーブル(約27.000~40.000円)」と料金をふっかけるタクシー運転手が多く出たそうです(モスクワ市内までの料金は行き先にもよるのですが、普段1.200~2.500ルーブルぐらい(約3.300~6.800円)です)。

ちなみに年末にドモジェドボが停電になったときも同じ問題が起きたそうです。悪徳タクシーの行動に対して怒りを覚え、そのナンバープレートを撮影しインターネットでリアルタイムで流した人もいたそうです。

もちろん、こうした悪徳タクシーとは正反対の行動をとった人もいます。見送りなどで空港にたまたま個人の車で来ていた人たちは「市内まで無料で送ります」という看板を掲げ、市内に行こうとしている人々を自分の車に乗っけてくれたそうです…。

それにしても、私たちがロシアにいるのは1年半ですが、その間に多くのテロや事故が起こりました。電車爆破テロ(2009年11月)、地下鉄テロ(2010年3月)、飛行機のエンジン停止による緊急着陸(2010年12月)、今回のドモジェドボ空港のテロ…。

ロシアにいるみなさん、くれぐれも気をつけてくださいね。


*当記事は2011年1月26日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


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