中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年02月19日
そういう会社では給料を最初からちょっと低めに抑えておいて、その人の頑張りに合わせて毎月違う金額のボーナスを支給しているようです。そうすると、休みや遅刻があったり勤務態度が悪かったりした翌月はボーナスが少ないし、逆に頑張った翌月はボーナス分が多くなります。こうして会社側にとって「毎月ボーナス」は、社員たちの日ごろのモチベーション維持に非常に便利なツールのようです。
「『この機械をいついつまでに直さなければ今月のボーナスはゼロだ』と職長に言われると、保全は必死になって頑張った。おかげで自分の機械はいつも調子よく動いていた」と、ラインで働いたときの思い出を会社の運転手から聞かせてもらったことがあります。どうも、仕事の結果がすぐにお金に反映されるやり方はロシア人にとってとても効果的なようです。
「『毎月ボーナス』よりも最初から給料を妥当な水準で設定しておいた方がいいんじゃない?その方が生活も安定するし」と、私たちの会社の日本人から意見が出たことがあります。しかし、どうもそのようにすると「頑張っても頑張らなくても同じだ」と判断し、だらけてしまうロシア人作業者も出てくるようです。
日本は、経済もロシアよりは安定しているし人もロシアのようにしょっちゅう転職しないから半年に一度のボーナスで間に合っているようですけれども、何かと変化の激しいロシアは「毎月ボーナス」の方が合っているのだと、こちらの現状を見て納得したタチアナでした。
*当記事は2011年1月19日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。