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2011年02月13日
2月9日、中国ネット掲示板大手・猫撲論壇に「商洛市車両管理所試験官の収入ってこんなに高いの?俺もはたらきてぇ」というスレがたった。内容は というと、中古の携帯を買ったところ、中にメールが残っていた。その内容は免許証の合否を判定する車両管理所試験官に、教習所が旧正月前に現金を送ったと いうもの。
「今年も車両管理所にお歳暮届けなければな。準備しておいてくれ。額は去年と一緒でいい。普段お願いしている人にはすべて送っ てくれ。2日間で全部終わらせて欲しい。金は事務所で受け取れ。会計は後で」というのが支持のメール。李隊長と鄭政治委員には1万元(約12万5000 円)、李世安には8000元(約10万円)と金額までしっかり書いてあったという。
さらに「王校長、昨日の件ですが、やっておきました。金は全部、この手でわたしましたよ」との返信も残されていた。李隊長、王校長などメールに出てくる人物はすべて陝西省商洛市車両管理所、喬士達自動車学校に実在する人物。メールが本物の可能性は高いとの見方が高い。
取 材を受けた王校長は、自動車学校は昨年赤字で、スタッフに旧正月前の給料も払っていないほど。わいろなんてとても払えないと否定した。あるメディアは自動 車学校の人気を高めるため、自校卒業生の免許交付試験合格の便宜をはかってもらうのが目的ではと推測している。日本では自動車学校卒業生の実技試験は免除 されるが、中国では全員が車両管理所での実技試験を受ける必要がある。
12日、商洛市公安局は自動車教習所わいろ事件に関する記者会見を開催した。時間はなんと6分のスピード会見。質疑応答も許されないありさま。警察はメールはすべて偽造されたものと断定。ネット掲示板に書き込んだ人物も容疑を認めたとして、その謝罪状まで公開された。
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果たして自動車教習所のわいろは存在したのでしょうか?警察はすべてデマだと否定しました。しかし、生々しい告発メールや不自然な記者会見を考えれば、人々の疑念は消えることはなさそう。「ちゃんとわいろを贈っている学校に行かなきゃ!」が合い言葉になったりするかもしれません。