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2011年02月14日
ネットユーザーからは「公務員の無駄飯喰らいを示す事例だ」との声が。籍はあって給料はもらっているのに実際には仕事をしていない公務員が山ほどいるはず、その一角が明らかになったのだと盛り上がり。このあたりの公務員バッシング感覚は少し日本と似ているかもしれない。
さてさて、渦中の江進祥氏がメディアに登場したことで事件の流れは一変する。同氏は「現在の職場」に移動する前、龍岩市人民代表大会常務委員会都市建設環境保護委員会事務科科長を勤めていたという。
その時、地下の水道管・下水管の品質が劣悪であることを発見。「誰がこのおから工程を調べるのか―龍岩市中心の視察で発見した問題調査に関する建議」と題した報告書を発表したところ、報復として停職処分を受け、さらには都市建設観察支隊に飛ばされたのだとか。
たんに飛ばされたばかりか、異動先まで教えてもらえず、2008年に研修のお知らせが来てはじめて「あ、俺って都市建設観察支隊だったんだ、へー」と気づいたとのこと。
江氏は自分の待遇は明らかに不公平な措置だと考えており、停職処分の再審査と人民代表大会常務委員会への復職を求めている。もちろん地下パイプ網の品質問題に関する調査、対応も求めている。
これらの問題が解決されるまでは、都市建設観察支隊に出勤することはないという。記者が辞めさせられたらどうしますかと聞くと、「もし辞めさせられたら、もっと多くの内情を暴露しますよ。彼らがね、できるはずはないと信じています」と話している。
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さぼっていながら給与をもらっている公務員のやつら、許せねぇ!
で盛り上がっていたはずなのに、当事者の話を聞くと全く違う方向に転換。いやひどいことをしている龍岩市政府をぶったたいてもいいんだけど、公務員たたきで盛り上がっていた心がおさまらない……。
という感じの微妙な空気を感じるネタ。地下パイプ網のおから工程と告発者への報復なんか盛り上がれるほど珍しい話じゃないとでもいいますか。
それにしても、最初はぶったたかれる対象だった江さんがメディアに登場。一気に善玉に変身しつつも、「クビにされそうになったら内情をもっと暴露しますよ(にやり)」とあくまでヒールの魂を捨てないのが素晴らしい。つーか、おから工程告発のためにそれだけがんばっているなら、他の知っている内情もぶちまけちゃえよ。