中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年02月18日
さて、そんな中で先日アメリカで「ONE PIECE」を違法配信しているBitTorrentユーザーが告訴されるということが起こったそうです。詳しくは以下のサイト様の記事などをご参照ください。
人気アニメ「ONE PIECE」の違法配信で1337人のBitTorrentユーザーを告訴へ (GIGAZINE)
【海外】ワンピースの違法動画で1337人提訴(はちま起稿)
この件について、ありがたいことに
「中国オタクの反応はどうなのか?」
「こういった動きは中国でもあるのか?」
という質問を複数の方からいただいておりますので、今回はそれについて一つ。
ご存じの通り中国は海賊版大国として有名ですし、中国オタクの多くも基本的に海賊版や違法アップロードされているファイルを経由してオタク系のコンテンツ に触れています。そんな訳で、このニュースについてもスルーすることはできないようで、中国オタクの間でもちょっとした話題になっているようです。
それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
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大変だ!北米で「ONE PIECE」を見てるP2Pユーザーが告訴されたらしいぞ!?
訴えたのはFunimationか。確かあそこは以前にも別の作品に関してファンサブグループ相手に訴訟起こしてなかったっけ。今回は個人ユーザーってのが今までにない動きか。
こういうニュースを聞く度に自分が中国に生まれて良かったと思うわ。ウチの国はBitTorrentを全面禁止とかしないからな。もし全部禁止されて「教育的なアニメ」しか見れないなんてことになったら気が狂いそうだ。
中国に生まれた自分の幸福を感じるぜ。
やっぱ国外は法律厳しいんだなぁ。ウチの国は海賊版使ってても怖くないんだよね。
うーむ……先進国に住んだらそれはそれでリスクがあるということか。
中国にいることがこんなに良いことだと思える日が来るとは。
BitTorrent使う度にびくびくしないといけないなんてアメリカはキツイところだね。
アメリカはRIAAが強行的にいろいろとやっているからP2Pはかなり大変らしいね。映画や音楽だけでなくついにアニメにも来たのか?
この点に関して「だけ」ウチの国は幸福なんだよな。他の所はまぁ……なんだ、考えないようにしようか。
これ、単純にこの会社の引っ張ってくる作品や広報活動が悪いから売り上げが伸びないってだけじゃないの?この訴訟にしても宣伝のためのパフォーマンスに思えるんだが。
アメリカの会社も無駄なことするよね。これは結局徒労に終わるって。過去の流れを見ればそれは明らか。
お前ら何安心してんだ。ウチの国も一応この「先進的な方向」にゆっくりと進んでいるんだぞ?数年前と現在のP2P関係の環境を比べて良く考えてみろ。BitTorrent系の大手サイトがいくつ封鎖された?海外の動画サイトがいくつ見れなくなった?上の方の望む形という中国の特色ある管理方法によるものだが、P2Pの管理や規制は緩やかに進んでいる。
てか、つい最近ウチの国でもBitTorrent系ではVeryCDがつぶされたよな。個人ユーザーのリスクは無いだろうけど不便になるのは確実。ウチの国もちょっとめんどくさくなりつつあるのかも。
年末になるとこういう不安になるニュースが増えるんだよな。ウチの国は、国をあげてパクリまくりだから規制も有名無実と化しているところがあるがそれでも不安になるわ……
(訳注:今年の春節は2月3日なので中国ではちょうど今が日本で言う年末の時期です)
正直言ってこんなことやっても変わらないとは思うんだけどね。今までP2Pの規制をやってそれが効果を上げたことってあるの?ダウンロード数に変化は無かったろ?
取締りとダウンロード数の因果関係についてはよく分からんが、賠償金とってそれを制作サイドに回せば少なくともプラスにはなるんじゃない?あと、P2Pに流れるタイミングが遅ければ遅いほどいいだろうから素早く大量にアップしているユーザーを取り締まるのは効果があるように思える。結局、やらないよりはやった方が良いってことなんじゃないかな。
うお、こんなことが起こっていたのか。俺のPC今ダウンロード中だわ……
こりゃ中国に生まれたことを幸福だと思わなけりゃいかんのかも。
中国は良い所だな!外人は中国に来てダウンロードするといいよ!
なぜかわからないけどウェブサイトが見れなくなったりメールが届かなくなったりすることなんかがたまにあるけど!
日本にいてリアルタイムで見れたり録画できたりする俺マジ勝ち組。
アニメ見るのさえ怯えないといけない日が来るとは。ぶっちゃけBitTorrentが無ければこんなに日本のアニメのファンはいなかったよね。BitTorrentも日本のアニメも無い日常ってのはとても過ごしにくくなりそうだ。
日本のアニメは一旦ハマっちゃったらなかなかやめることができないんだよなぁ。昔は中国のテレビでも放映されてたけど、今はもう国産の「安全」な作品ばかりだし。頼むからウチの国でこういうアニメの取り締まりはやめてくれよ……もしアニメまで無くなったら生きていく気力がなくなる。
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とまぁ、こんな感じで。例によって頭の痛くなる発言もポコポコと見受けられましたが、ざっと見たところでは「中国にいてよかった」と胸をなでおろしているような感じでした。ただ、こういうニュースを聞くと不安になったりするところもあるようですね。
それから中国国内における動きについてですが、一応中国でもP2P関連の取り締まりが全くないわけではなく、ここしばらくの間でも大手のP2Pファイル共有系のサイトが幾つか取締りに遭って閉鎖されているようです。
ここ最近の中国における取締りについて中国のネットでは
「欲しいファイルが見つかり難くなるので不便になってしまう」
という不満の声や、
「交流の場が潰されるのではないか」
という不安の声、更には
「今のタイミングでの取り締まりは何故か?」
「取り締まりの動きは版権を取得している動画サイトからの圧力によるものか、それとも他の大手資本が入っているP2P系サイトからの圧力によるものなのか?」
「毎年春節(旧正月、実質的に中国の正月です)前になるとこの手の取締りが出るし、もしやこれは年末恒例の点数稼ぎだったりして」
「そもそも違法とされるコンテンツの範囲や本当に取締りたいモノは何なのか?」
といった疑問が出ているそうです。
中国の取り締まりは、P2Pファイル共有系サイトが国家広播電影電視総局の「情報ネットワーク視聴番組配信許可証」を取得していないことを理由にしてのものが多いというのが特徴の一つでしょうか。
これについては著作権絡みというよりも、政府に許可を取っていない違法な番組配信を行っていることを理由として行われる取締りという意味合いが強いといった話もあります。
中国では様々な取締りのキャンペーンに政治的な要素が加わることも多いので、取締りの動きの背景が分からないというのは不安になったりもするのだとか。
しかし、あくまで私が見た限りの話ですが、中国では今回のアメリカの訴訟のように、個人ユーザーレベルでP2P使用により訴えられるというリスクについてはほとんど意識されていないようです。これに関しては中国の現状では個々のユーザーを取り締まるのが難しいといった点も影響しているのかもしれませんね。
私も知り合いの中国オタクから
「中国で個別にユーザーを取り締まるのはあまり現実的ではない上に、賠償金が取れないことがほとんどなのであまりやらない。やるとしたらまずP2Pの情報共有サイトやアップロードするグループの集まるサイトを叩くことになるだろう」
「個別のユーザー相手でも取締りが無いわけではないが、ポルノ関連やよほどの大量の損害額にでもならない限り報道されないので、中国のP2Pユーザーはソフトの使用に関してそれほど危険を感じていない」
といった話を聞いたこともあります。
ぐだぐだと長くなってしまいましたがとりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ただ、今回は荒れそうな話題ですので、できればお手柔らかに……
*当記事は2011年1月31日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。
いわゆる割れ厨ですよね。
キンブリさんに当たるのは筋違いだとわかってるんですけど・・・。