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2011年02月23日
<サッカー>トルシエ氏が深センのクラブの監督に=コーチ2人も帯同―中国(レコードチャイナ)
2011年2月22日、網易体育によると、サッカー日本代表チームの監督も務めたフィリップ・トルシエ氏が、中国のサッカークラブ「紅テン」(Shenzhen Ruby F.C.)と正式に契約を交わし、コーチ2人を引き連れて同クラブの監督に就任することが明らかとなった。
トルシエ監督の経歴
軽く経歴を振り返っておきますと、ナイジェリア代表監督をはじめ、主にアフリカで代表チームを率い成果を残したトルシエ監督。1998年より日本代表監督・五輪代表監督に就任。2000年にはシドニー五輪ベスト16ベスト8、レバノンアジアカップで優勝。2002年日韓サッカーW杯では開催国とはいえ、W杯未勝利だった日本をベスト16にまで進出させるという見事な結果を残しました。
以前にもとりあげたことがありますが(過去記事参照)、中国のサッカー評論家、ファンの間では日本代表の評価は高く、「青少年の育成を重視し、ブラジル流のテクニック重視のスタイルを一貫することで、飛躍的な発展を遂げた」とヨイショされています。そして、歴代監督の中でもトルシエが残したインパクトは特に大きかったよう。「日本サッカーの教父」なんていう肩書きをつけているメディアもあったりします。
高給すぎるのが仇?意外と冷ややかな反応も
そのトルシエ監督の就任なので、絶賛の嵐かと思ったのですが、100万ドル(約8270万円)という中国スーパーリーグトップという高年俸もあり、意外と冷ややかな声も多かったり。曰く、「アマチュアチームの監督になにができるんだ?」(2008年から2009年までJFLのFC琉球総監督を務める)「無駄金になるんじゃね}」、と。
とはいえ、興味津々という声が多数でしょうか。ちなみに中国経済の景気の良さからか、はたまた中国人コーチのだめさ加減に愛想が尽かされたのか、今季の中国スーパーリーグは16チーム中10チームが外国人監督を起用。といっても、うち4人が韓国人監督ですが。外国人選手のレベルも年々高まっていますし、リーグ全体のレベル向上も期待できるんじゃないでしょうか。
「トルシエ?大変だろ(ニヤリ」
さてさて、トルシエ監督といえば、そのエキセントリックな性格と言動が売り(?)。今回も就任会見で「3年でアジア制覇じゃ!」「中国サッカーは来年には日本を抜く」とか、威勢が良すぎて中国サッカー関係者を不安にさせる言動を連発。
日本代表監督時代も幾度となく、サッカー協会と衝突。結果とファンの支持で解任危機をどうにか乗り越えています。日本代表以外でのお仕事では必ずといっていいほど、もめて解任しているわけで。
中国といえばトップダウンのお国柄。選手獲得ばかりか、起用、トレーニングにまでえらい人がちょくちょく口を出してきては外国人監督ともめるということが繰り返されています。トルシエ監督には十分な権限を与えるという契約だそうですが、オーナーが口だししないはずもないので、きっともめるんじゃないかな……。契約は2年(にオプションが1年)だそうですが、期間をまっとうするとはとても思えなかったり。
日本代表監督時代、どこかの雑誌にとてもステキな記事が載っていまして。ナイジェリアを訪ねてトルシエ監督の評判を聞くという企画だったんですが、取材に答えたナイジェリアのサッカーファンが「あー、トルシエって日本に行ったんだ。どうだ、大変だろ(ニヤリ」とコメントしたというお話。
深圳人にあったらぜひぜひ同じことを言ってやりたいですね。「トルシエ?大変だろ」って。
ベスト8だからね