中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年02月27日
味千拉麵妹 (2) / metaxin
※熊本発で中国を制した一大チェーン、味千ラーメン。
日本のラーメンは中華料理から発展したものですが、実の所中国では日本のラーメンのようなかん水を使ったコシのある麺とダシのきいた美味しく飲めるスープという組み合わせの麺類はかなり珍しいです。
一応「蘭州拉面」というのは中国では珍しいコシのある麺を使うので、比較的日本のラーメンに近いと言われていますが、あくまで「近い」であって日本で日常的に食べられているラーメンとは違います。
この中国でのラーメンの人気について知り合いの中国人に話を聞いたり、私の中国生活における経験などからくる独断と偏見から考えたりしてみたのですが、とりあえず思いついた大きな理由は「スープ」、詳しく言えば
「スープがとんこつスープ」
「スープにダシがきいていて美味しく飲める」
ということが影響しているのではないかと思います。
まずとんこつスープについてですが、実は現在中国で人気になっているラーメンは主にとんこつラーメンで、「ラーメンと言えばとんこつ」というくらいのイメージになっています。
これは中国本土で最大のラーメンチェーンとなっている「味千ラーメン」がとんこつを主力としていることと、とんこつスープにより中国の他の麺類との差別化が図れたのが大きいのではないかと。
私も知り合いの中国人から
「しょう油ラーメンだと他の中国の麺類と変わらないように思えるから、あえて食べようと思う人は少ない」
「外食で金を使うんだから、ちょっと違ったものが食べたい。とんこつスープは目新しさがあってよかった。しかも麺類だから中国人にとって抵抗なく食べられた」
といった話を聞いたことがあります。
そしてもう一つの「スープが美味しく飲める」ことですが、コレはもう日本のラーメンと中国の麺類の最大の違いと言ってもいいのではないかと思います。
もちろん中国の麺類もスープが飲めないという訳ではないですし、中にはスープの美味しい麺類もあったりしますが、やはり日本のラーメンとは違います。
また、中華料理はよほど上のクラスにならない限り、ダシではなく油で美味しく感じさせて食べさせるといった傾向があります。ですから、日本のラーメンのダシのきいたスープは新たな麺類の食べ方として中国に広まっていったのではないかと。
中国におけるラーメンの人気について思いついたのは、とりあえずこんな所でしょうか。それにしても中華料理から発展したラーメンが、まわりまわって中国に逆輸入されるというのはちょっと不思議な感じもしますね。
今回の内容はいつにも増してイイカゲンなものなので、ツッコミ&情報提供を熱烈にお待ちしております。
*当記事は2月21日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。