中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年03月04日
中国画策、沖縄を「琉球自治区」に 海軍機が尖閣接近(MSN産経ニュース、3月3日)
中国海軍機が2日、沖縄・尖閣諸島に接近し、航空自衛隊がF15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させる事態が起きた。領空侵犯はなかったが、同国の領土拡張への野心は無視できない。実際、中国系の新聞や雑誌、インターネットなどには「中華人民共和国琉球自治区」や「中華民族琉球自治区」といった文字が多く見られるようになっているという。
(…)
中国人犯罪者と対峙してきた元警視庁捜査官で「日本が中国の『自治区』になる」(産経新聞出版)の著書があるノンフィクション作家の坂東忠信氏は最近、「中華人民共和国琉球自治区の設立 琉球群島1000年の国家戦略の開始」という論文を翻訳した。それは驚くべき内容だ。
《中国は1000年の発展のため、琉球群島(=沖縄諸島など)を回復し、中華人民共和国琉球自治区を成立させなければならない。『カイロ宣言』と『ポツダム宣言』は法律上、中国が琉球の主権を持つことを保障している。(琉球を)国防のための巨大な鋼鉄の長城となし、太平洋に向かう前進基地としなくてはならない》《中国は琉球を建設し、日本軍と米軍を東海(=東シナ海)から遠ざけ、琉球は中国の安全のための防波堤となるのだ》
ボクの考えた琉球奪還
坂東忠信氏のブログがより詳細に内容を紹介しています。また中国語元記事はこちら。
やたら長いのですが、まとめると……
琉球が欲しい、とったらいいことある、今がチャンス、中華民族の一部たる琉球人も望んでいる、カイロ宣言とポツダム宣言で中国の琉球領有は保証されている!
ぐらいかな。まー、びびるぐらい中身がない文章。元記事が掲載されたのは環球フォーラムというネット掲示板。つまり「ボクの考えた琉球奪還論」的なお話でしかないという……。
中華民族琉球特別自治区援助準備委員会成立
なんか、たんにマニアがネット掲示板に書き込みしただけのようにも思えますが、産経ニュースには、
「月刊中国」日本語版の主編、鳴霞氏は次のように言う。「香港の知人から届いた月刊誌には『中華民族琉球自治区』援助準備委員会設立の公告が載っていました。ほかの中国系メディアにも出ています。関係者は『世界に向けて、中華琉球をアピールしていく』と話していました」とあります。お金がかかる新聞掲載となれば、一段ハードルが高い行為。本当にやっているのでしょうか、と調べてみると……。
日本は沖縄を不法占領?!中国政府にも怒られた環球時報の電波コラムを全訳してみたどうやら、唐さんの大放言が引用され、「琉球奪還」の論拠となっているよう。
日本の圧政から琉球の同胞を救い出せ!「人気電波作家」唐先生の新作キター!
坂東氏は「中国政府はすでに『尖閣諸島は中国領だ』と公言している。人民解放軍の中には、日本への侵攻計画を呼びかける高級幹部もいる。『琉球自治区』の動きは民間(の論調)を装っているが、今後、世界中の中華民族と連携して圧力をかけてくる可能性もある。日本の政治家やマスコミはもっと警戒すべきだ」と語っている。と記事をしめくくっていますが、さすがに政治問題化するようなことはないんじゃないか、と。