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「僕は日本人だよ!」幼くとも認識する自己のアイデンティティ―ロシア駐在日記

2011年03月06日

ゆうくんの怒り


Samurai / |Eva|


今日のニジニ・ノヴゴロドは-12℃です。最近会社の帰り道はあまり込まなくなりました。氷がある程度溶けてきて事故が減ったからなのか?雪が溶けて道路幅が広くなってきたからなのか?理由はわかりませんけど、渋滞がないことはうれしいです。

実は、後少しで家族そろって一時帰国をします。私にとって一年ぶり、パパと子供たちにとっては1年半ぶりの日本となります。3月だと家の中はまだ寒いだろうな…。子供たちは暖房がしっかり効いているロシアの室内に慣れてしまっているので、せっかくの一時帰国で風邪をひいてしまったりしないかと、今から心配です。

でも、久しぶりに日本の友達にも会えるし、おいしいものもいっぱい食べられるから、うれしい!!!(日本人のパパよりもロシア人のタチアナの方がうれしいような気がするけど、気のせいかな?) ゆうくんも、おじいちゃんおばあちゃんをはじめ、保育園のお友達や従兄弟たちに会えるので、日本人としてのいい「リハビリ」になりそうです。

そういえば、この前ゆうくんは粘土教室から怒って帰ってきました。話を聞くと、怒りの原因は、「あなたもロシア人だよ」と先生に言われたことだそうです。「僕は日本人だよ!ママがロシア人でも、僕は違うよ!」と興奮したゆうくんは連発。先生がとんでもないことを言い出したと、我が子は思っているようです。

*当記事は2011年3月2日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。

考えてみたら、4歳半からロシアで暮らしているゆうくんはロシアに来た当初から自分をしっかり「日本人」として受け止めていました。私たち親はその点特に何かを教えたわけではない。ゆうくんが自分でそのように決めたのです。そして、それは無理もないと私は思います。生まれも日本だし、母語も日本語。いずれ日本に帰って(みんなよりちょっと遅れてだけど)日本の小学校に転入することも本人はよくわかっています。

でも、先生の言うこともわからなくもないです。もしかして、ゆうくんをクラスの仲間はずれにしないがためにわざわざ言ってくれた言葉だったのかもしれません。

「お父さんは日本人でお母さんはロシア人。どうしてそういうことがあるの?」とゆうくんは同じクラスの男の子に聞かれたらしいです。その話を私にしているとき「僕もわからないんだけど…」とゆうくんは不思議そうに笑っていました。「そうだよね~」とパパとママも笑うしかないです。

自分がロシア人なのか日本人なのかという疑問にぶつかることはこれからもあると思います。今まで日本しか知らなかったので、当たり前のように自分を日本人として受け止めていたゆうくんは、今度日本に帰国をしたとき、自分が周りとはちょっと違うなと思うことがあるかもしれません。悩むこともあるかもしれません。親としてできるサポートはしますけど、子供たちにはがんばって自分なりのアイデンティティ(identity)をしっかり確立してほしいと思うタチアナでした。

*当記事は2011年3月2日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


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 コメント一覧 (2)

    • 1. gtzhen
    • 2011年03月06日 10:12
    • 子供はどちらだろう。うちの子は母に気を使って、中本人と言います。
      パパとママとどちらが好き? ときくと、パマ!
      子供なりに考えているのだと思います。
      パスポートは全員日本国籍なのですが、中国人の血もあることを認識しています。
    • 2. chinanews
    • 2011年03月06日 15:20
    • >gtzhenさん
      「中本人」「パマ」。本当、よく考えているお子さんですね。ちょっとびっくり。

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