3回目のジャスミン革命に双方必死の呼びかけ
第3回目のジャスミン革命を前日に控え、北京市党委の機関紙である、北京日報がジャスミン革命について言及しました。以下はその適当な訳出です。
*画像は20日、北京市の集合地点。博訊網の報道。 社会と和諧的安定の維持を自覚せよ(2011/3/5北京日報)
全人代と全国政協会議、いわゆる両会が北京で開催されている北京。中国はGDPが世界第二位となり、国際的地位や影響力も向上し、人民の生活も目に見えて改善されている。我々の前途は超明るい。しかし、一部で異常な現象が起きており、これは警戒しなければならない。
*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。
中東や北アフリカで社会秩序が混乱しており、国民は大きな苦難を受けている。国内外の一部の心無い人間たちがこれを中国でも起こそうとして、ネットで違法な集会を扇動し、事件を作り出そうとしている。
人民たちはこれに対して強烈な不満を表明している。少数のパフォーマンスはは自作自演にしかならない。中国で中東と同じニュースを探そうとしても、作り出そうとしても無駄だ。
改革解放以来、党の指導の下、各民族の奮闘もあり我が国の政治は安定し、経済発展や党の政策は民心を掴み、民意に沿うものだ。人民の心からの支持も取り付けた。安定は幸福、動乱は災難、安定が無ければ何も成し遂げられない。安定維持は全国人民の共通の意志と声だ。
一部の国内外(原文は境内外=香港、マカオ、台湾含む)の心無い者が、我々の発展途上で存在する一部の問題を利用し挑戦し扇動している。我々は和諧安定の維持を自覚し、科学発展の道を堅持すべきだ。
そうすれば中国の前途は更に素晴らしく、人民の生活もより素晴らしいものになるだろう。
「生活が苦しくなっていいのか?」という恫喝
前回は全国紙とは言え色物の環球時報が社説で言及しただけですが、今回は北京市の機関紙ですから格調は今回の方が上。間接的にではあるものの、動乱という否定的単語を使ってジャスミン革命を非難してきたわけですが、動乱といえば天安門事件や08年のチベット騒乱、文化大革命などを指す単語ですから、相当警戒しているのは言うまでもありません。
これまで、他国のジャスミン革命について「民衆の選択を尊重する」と、政治的変動に対しては論評を避けてきましたが、この社説では「社会秩序は混乱し、民衆の安全に保証も無く、生活は苦しくなり」と、誰が悪いとは明言しないものの、国民生活をタテに参加するのは良くないとの刷り込みが行われています。
全人代開催中、首都・北京の厳戒態勢
全人代の開催中ということは、各地から公安や、武装警察が警備のため北京入りしているでしょう。さらにジャスミン革命を阻止するため、さらに増員されているかもしれません。もちろん他の都市でも危ないのに変わりはないのですが、北京日報の社説が「首都北京は世界の注目の的」と書いているように、危なさの桁が段違いなのです。この状況下でも参加しようとする人には敬服せざるを得ません。
明日は、北京、上海、広州、成都、杭州、西安、南京、長沙、天津、瀋陽、長春、ハルピン、武漢、済南、青島、吉林、大連、鄭州、貴陽、太原、南昌、福州、南寧、ラサ、ウルムチ、深セン、重慶、フフホト、石家庄、蘭州、昆明、チチハル、合肥、アモイ、温州、蘇州、寧波、西寧、香港、台湾、ニューヨークの41都市で開催が予定されています。
「無い内定の大学生、退役軍人、キリスト教信者、法輪功信者、失業者、上訪者、強制立ち退きの被害者、強制堕胎、その他弱者の皆さん」と、ありとあらゆる人たちに呼びかけています。主催者はもちろん何かしろと言っているわけではありませんが、仮にこれだけの人たちが集り、明日王府井に集まれば、当然待っているのは……当局が警戒して当然なのです。
もう今日になってしまいましたが、注視していきたいと思います。
*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。
都市人口半端ないからなぁ中国は、どこで混乱があってもおかしくない。