• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

【鬼子くんとウサギちゃん】記事「私の日本人彼氏」がプチ炎上しているお話(1)―中国

2011年03月06日

中国紙・南方週末が「我的日本男友」(私の日本人彼氏)というコラムを掲載しました。タイトルからして「危険」な香りがしますが、予想通り軽く炎上気味。面白いので、手抜き訳ですがご紹介します。


Whisper Private Talk / Suvcon


――――――――――――――――――――
私の日本人彼氏(南方週末、2011年2月25日)
作者:兎美

新しい友達と初めて会う時はなかなか盛り上がらないもの。でも、私をよく知る友達がいつも場を盛り上げてくれる。そのセリフは決まって「ねえねえ知ってる?この子の彼氏って日本人なのよ!」というもの。この話題が出ると、必ずみんなの好奇心がかきたてられ、大盛り上がりとなる。

そう、私には日本人の彼氏がいる。もう付き合い始めて1年半だ。

友人たちは彼のことを「鬼子」と読んでいる。でも彼は嫌がってはいないよう。自分で「ボクは日本鬼子だよ」と冗談を言ったりもする。でも、それは彼にとって「鬼子」が桃子や梨子と同じたんなる記号でしかないためだと、私は知っている。

以前、日本人は中国人をどう思っているのか、彼に聞いたことがある。おじいさんの世代は見下していた人もいただろうけど、若者はそう思ってないよというのが彼の答え。「国籍」という概念ももうあいまいだと話す。「だいたいスポーツの試合の時ぐらいかな。国籍の存在をはっきりと感じるのは」とも。でも、私が銀行でキャッシュカードの再発行のため、七面倒くさい手続きに奮闘していると、「やれやれ、君たち中国人は本当に大変だ」なんて言ったりもする。

日常生活において、少なくとも北京大学の中では、日本人を好きになるのは本当に簡単なことだ。日本人はいつもきれいな服を着ているし、何事も大いばりの韓国人と違って慎ましくマナーがある。ある時のこと、同級生がネット掲示板に「日本人留学生が(教室の席を)占拠している」と非難する書き込みをしたが、ほとんどすべてのコメントが「そりゃ韓国人だろ」とのものだった。そうした行為は日本人学生がやることじゃない、と。

さて、彼氏の鬼子くんと共通の話題を作ろうと、私は日本ドラマ、アニメ、音楽に関心を持つようになったし、日本語の勉強も始めた。でも私の努力なんて他の人に比べれば全然。海外留学のために必死な人たちは、寝食を忘れて勉強しているもの。私はある日本人歌手とマンガが大好きになっただけ。そういえば、鬼子くんは「中国で日本語勉強している人ってこんなに多いんだ」ってびっくりしていたな。

もちろん日本人のことを憎む人は多い。少なくともそういうふうに見える。毎年9月18日の柳条湖事件記念日ともなれば、人人網(中国企業によるフェースブック類似サービス)のニュースフィードは、日本兵の蛮行の動画、写真であふれかえる。そして、次のようなつぶやきが多くの人に転載されている。

私はコナンが好きだ。1話に1人、日本人が死ぬから。

私はデスノートが好きだ。1話に1ダースの日本人が死ぬから。

私はワンピースが好きだ。1話に船1隻分の日本人が死ぬから。

私はナルトが好きだ。1話に村1つ分の日本人が死ぬから。

私はウルトラマンが好きだ。1話に街1つ分の日本人が死ぬから。

私は映画「2012」が好きだ。30分で日本列島が沈没するから。


2009年、私は鬼子くんと一緒に「中国人がたくさん死ぬ」映画である「南京!南京!」を見た。エンディングが流れはじめ、映画館が明るくなった時、彼がこっそり涙をふいているのを見た。映画館を出た私たち、気が重くて一言も話さなかった。歩いていくと、1組の若いカップルが話している。「小日本は許せない。もしオレが日本人を見つけたら、マジでぶっ殺してやりたいよ」、と。

私のパパは抗日ドラマが好き。日本人が中国人を殺しているシーンを見ては、いつも怒っている。でも、日本に出張した後のこと、「ヨーロッパやアメリカにも行ったけど、日本みたいに清潔で静かで、なにもかもきちんとしている国はなかった」と感慨深げに話していた。「日本の印刷工場の床には、紙1枚落ちていないんだ!」というのが一番驚いたことのよう。一生を印刷業にささげてきた父にとって、想像すらできないことだったみたい。

初めて日本人の彼氏とつきあっていると話した時、パパは全然怒らなかった。それどころか喜んでいるようだった。日本にいって、「鬼子」たちとお酒を酌み交わしながら、4時間も話したんだって。おじいちゃん、おばあちゃんは子どものころ、「日本鬼子が村にやってきた」を実際に体験した世代だ。でも、日本人の彼氏とつきあうことに全然反対しなかった。母方のおばあちゃんは、日本兵があめ玉をくれた子ども時代の話をしてくれた。父方のおばあちゃんは「日本人はお金持ちなんだろ」と大喜びだった。

尖閣問題が起きて、日中関係は再び冷め切った。反日感情が最高潮に達した2010年9月下旬、鬼子くんは私に会うため中国にやってきた。それを聞いたパパは、「中国人民を代表して一発殴ってやる」と冗談めかして話した。

そして今、私は日本行きの準備を進めている。鬼子くんは「兎、日本へ行く」と題した絵を送ってくれた。中国を出発した飛行機が「スミダ」と書かれた朝鮮半島を迂回して日本に向かっている絵だ。絵の左下には小さな黒い点。脇には拡大した絵も一緒に描かれていた。それは小島の上に小さな看板が建てられたもので、看板には「釣魚島は日本の領土」と書かれている。

あなただったら、この絵を見て怒りに燃えるのでしょうか?
少なくとも私と鬼子くんにとってはたんに国をネタにしたジョーク。たんにそれだけのことです。

――――――――――――――――――――

「コナンのコピペ」は以前にも見たことありますが、いやはやよく出来ていますね。しかしワンピースの登場人物が日本人かどうかは疑問だし、そもあんまり人が死なないと思うのですが、どうなんでしょう?

それはさておき、Chinanews的に気になったポイントは次のとおり。

・日中の若者って、なにげに歴史問題に対する意識、国籍に対する意識が希薄だよね。

・でも抗日映画見たりと、問題に直面させられる機会はある。

・実際にあってみると、日本人を好きになることも多いし(ダシに使われている韓国人バッシング……)。

・でも、それはさておき日本叩きネタって盛り上がるよね。

・でも抗日ドラマ好きのパパも、実際に日本と接してみると意外とイヤじゃなかったみたい。

・それどころか、日中戦争を体験したおばあちゃんたちまで日本人彼氏を受け入れてくれる。

・尖閣問題もわいわい騒いでいたけど、人間関係ぶっ壊すことはないよね。

一番のポイントは、「実際に会って、人間関係できたら全然違うよね」ってことなんじゃないか、と。私も計4年ほど中国に住んでいたので、「あるある」とうなづくところが多かったりします。もちろん明確に結論を出す文章じゃないので、感じ方は人それぞれかもしれませんが。

さてさて、この「私の日本人彼氏」を受けて、コメント欄が軽く炎上したりしているので、次回はそのご紹介を。

<続編>
【鬼子くんとウサギちゃん】記事「私の日本人彼氏」がプチ炎上しているお話(2)―中国

forrow me on twitter


トップページへ


鬼が来た! [DVD]
鬼が来た! [DVD]
posted with amazlet at 11.03.06
ジェネオン エンタテインメント (2002-11-22)
売り上げランキング: 17485






 コメント一覧 (6)

    • 1. 鬼子@東京
    • 2011年03月06日 20:09
    • >日本人はいつもきれいな服を着ているし

      すまぬ、日本のオサレな人たちよ。。
      観光地を歩くときは気をつける。。
    • 2. マネ
    • 2011年03月06日 20:26
    • ウサギって、中国政府の愛称の一つだ。
      南方また微妙なものが載せた。
    • 3. うがや
    • 2011年03月06日 20:48
    • 先入観と偏見と記憶とのせめぎあいの中で、どうにか折り合いをつけてモノを見なきゃならない。たとえば、日本人は嫌いなんだけど、お前は特別だよ。みたいな折り合いのつけかた。人はつくづく見たいものしか見ないのだ
    • 4. 。。
    • 2011年03月07日 20:41
    • 中国人が作った南京映画を見たことあるが、まあ予想通りの内容だったねえ。
      頭が変わらない限りおかしな偏見教育は替えられないんだろうな。
    • 5. Chinanews
    • 2011年03月08日 00:25
    • >1さん
      www 今でも中国で買った服を着ている私は、日本人に見られないこともしばしばですw

      >マネさん
      なるほど。なにか深い意味がある話なのでしょうか。
      ううう、わからん……。

      >うがやさん
      おー、うまい解説。おっしゃるとおりですね。理屈はどうつけるにせよ、折り合いつけないとってことだ。

      >。。さん
      抗日モノは結構ショックですよね。
    • 6. 日本人
    • 2011年03月09日 11:34
    • リンク先に書かれた表題「 中国人が日本人に抱く複雑な感情」
      に対して
      複雑な感情じゃ無い。全部「嫉妬」だろう。
      単純明快だ。

コメント欄を開く

ページのトップへ