2011年3月2日、米アップル社の新型タブレットiPad2が発表されました。同時に現行機種のiPadも値下げを敢行(日本では1万3000円の値下げ)。アップルの規定に伴い、値下げ発表前14日間の購入者には差額を返金することもアナウンスされました(日本でも同様のはず)。
中国でも同じく返金措置が受けられるはずなのですが……なにせ流通ルートが複雑な中国。恩恵にあずかれる人、あずかれない人が登場し、混乱しています。
2011年3月9日付天津網 を参照しました。
突然の値下げにショップも大混乱
中国での値下げ幅は1100元(約1万3800円)。ところが現在、返金が確約されているのはアップル直営店とオンラインストアで購入したお客のみ。といっても直営店は北京と上海に2店舗ずつしかないので、大多数のお客は代理店から購入しているんじゃないか、と。結構な金額ですので、おかしいやないかと騒ぎになっています。
現在、中国アップルストアではiPadの価格は2888元(約3万6100円)にまで下がっていますが、それ以上の卸価格で入荷したショップも多いようで。あるショップは入荷価格は3400元(約4万2500円)だったと明かし、在庫50台を現行価格で売却すれば3万元(約37万5000円)以上の損失になると肩を落としています。
とはいえ、売りさばかなければ損失がふくらむのもまた事実。そこで今までは有料だった「脱獄」(海賊版ソフトの使用を可能にするなどプログラムを改変する行為)を無料にするなどのサービスをやっているとか。マスメディアの取材に堂々と「『脱獄』無料サービス始めました!」と答えるショップ経営者……。いいのか、それで!
まだまだなじみの薄いアップル商法
アップル社の新製品発表サイクルや価格戦略などについて情報も多く、よく理解している消費者も多いのではないかと思いますが、中国ではiPhone、iPadが爆発的に売れ出したのが昨年のこと。アップル商法についてよく知らない人が多かったのではないか、と。そのため混乱が広がっているんじゃないかと推測する次第です。
一方で気になるのはアップル社は中国市場での混乱を予測していたのかということ。代理店、さらには海外からの輸入品市場など多様な流通ルートが存在する中国では、スムースな返金業務は難しいと思われますが、「損をした」ことについてきわめて敏感なのが中国の消費者。ひとたび矛先がアップル社に向けば、企業イメージが傷つくなどの問題に発展しかねないようにも思うのですが……。
バッファロー (2010-12-03)
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