中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
数万人の中国ネット民がお見舞いコメント
特集で、トップニュースとなった記事が「多数中国网民对日本地震表示同情为受灾者祈福」(多くの中国ネットユーザーが日本の地震に対して同情の意を示し、被災者に対して幸運を祈る)です。
同記事によりますと、今回の地震を受けて中国では、数万人のネットユーザーが地震関連記事にコメントを残すなど、関心の高さがうかがえるのこと。そして、コメントの大半は被災者に対して同情を示すものだそうです。多くのユーザーは理性的に行動している、「災難にあった時に民族感情を強調すべきでではない」とわきまえていると論評しています。
この記事でも、「我々は日本の地震に高い関心をもっている。同時に地震が命を奪わないようにと願っている。人々が平和でありますように」というコメントが真っ先に紹介されています。
他に紹介されているものとしては、「汶川遊子」というハンドルネームの方(「汶川」は2008年に発生した四川大地震の震源地)の、「地震は良いものではない。どこの国で起こっても、全人類が共同で対処しなくてはならないものだ。日本がこの難局を乗り越えることを期待する。」というもの。
そしてここから先が如何にも中国らしいのですが、日中間に存在する歴史は忘れることはできないが、こうした災難を前にして、民族感情を強調すべきではないという主張(コメント)も紹介されております。
例えば、恨みはあるが、地震は人類共通の敵で、汶川で日本の救援隊が何をしてくれたか思いだすべきだとか、「歴史上、日本は中国人を傷つけたが、自然災害は人類共通の敵だ。自然災害の前に、人類は弱くて無力だ。歴史上どのような恩や恨みがあろうとも、まずは傍らにおくべきだ。」といったものが掲載されておりました。
ただ、やはりこれはある意味どこの国にでもあることなのでしょうが、少数の「幸灾乐祸」(他人の不幸を喜ぶ)コメントがあったそうです。ただしこうしたものは、「人間性のないもの」として、他のユーザーから激しい批判をあびているそうです。
考え様によっては、中国人は他人の不幸を喜ぶような国民ではないという、いつもの「中国万歳」的スタンスの延長で記事がまとめられているような気もしないではありませんが、やはりここは素直に同情を示してくれている中国の方々に対し感謝すべきところでしょう。
私も地震の被害にあわれた方々に対し、深い同情の意を示させていただくと共に、一日も早い復興を期待しております。
*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。