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2011年03月13日
中国の女子学校の歴史をひもとけば、20世紀初頭に一つのブームがあった。とはいえ、お嬢様学校とは正反対の存在で、女性解放運動の思想に根ざし、女性の自主自立を促進する目的だった。文化大革命を機に一度、女子学校は全廃されたが、かの「宋家の三姉妹」も通った上海市第三女子中学を皮切りに復活が続き、現在約20校が存在している。
珠海女子中学は民間としては唯一の女子校となるため、いわば「中国初のお嬢様学校」と言っても間違いではないかと。人気はまずまずですでに150人が応募したという(定員300人)。うち7割が珠江デルタ地域からの応募だが、3割ははるばる遠隔地からの応募だという。
一方、このご時世に純粋培養のお嬢様を作ろうという発想そのものに批判の声も上がっている(13日付紅網)。確かに100年の時をへて、より保守的な方向に戻ったようにも思えるが、その一方でエリートお嬢様校は資本主義社会にマッチしているようにも思える。イデオロギーのたがが外れた中国では儒教ブームなど過去への回帰ブーム的な現象がまま見られるが、「お嬢様学校」もそうした流れの一部なのかもしれない。