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【東北関東大震災】原発対策で異例の会議=揺らぐ中国エネルギー政策―翻訳者のつぶやき

2011年03月17日

福島の原発事故に対する中国の危機感

国務院は16日、国内の原発対策を話し合う常務会議を開催しました。国務院常務会議自体は珍しくないのですが、会議のテーマが福島の原発における放射能漏れ事故を受けての原発対策であり、国務院常務会議で日本に関わるテーマが話し合われたのは、私が今の仕事を始めて10年余りで初めてです。

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新華網の報道。

会議では、福島第一原発の放射能漏れを受けて中国国内でも放射能のモニタリングが行われていたことが指摘され、「わが国の大衆に影響を及ぼすことはない」と結論付けられました。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。


その上で会議では、これからの中国国内での原発政策について4点の政策が決定されました。

①直ちに国内の原子力設備に対して全面的な安全検査を行う。
②稼動中の原子力施設の安全管理を適切に強化し、運営管理をしっかり行う。
③建設中の原子力発電所を全面的に検査し、安全性の評価を行うとともに改善する。安全基準に合致していないものは直ちに建設を取り止める。
④新たな原発建設プロジェクトについては許認可を厳格化する。

これらの措置を見ても、福島の原発事故は中国に大きな衝撃を与えたことが判るのではないでしょうか。「安全性の高いあの日本の原発が・・」「明日はわが身なのだろうか・・」というのが中国の正直な気持ちなのでしょう。

これまで中国では火力発電所が主流でした。しかし環境重視の国際世論の高まりを受け、現在、原子力発電で自国の電力供給をまかなう計画を着々と進めています。今のところ運営中の原発は浙江省の秦山発電所(第1期)、広東省深センの大亜湾発電所を初めとした6カ所ですが、建設中の発電所が12カ所、建設計画中の発電所にいたっては実に25カ所もあり、これらが完成すれば中国は紛れもなく「原発大国」になると言えます

そんな矢先に日本の福島原発のような事故が発生したわけですから、事故を目の当たりにして中国政府が大いに慌てたことは容易に想像できます。

日本の原発事故を見て、中国がエネルギー政策を変更するかどうかについては、もう少し見守る必要があるでしょう。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。

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