中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年03月22日
中国だからしょうがない?
時間をおいて再度検索すると何事もなかったように結果が表示されるので、どうせ金盾の適当な設定のせいだろうと思い、不便を覚えてイライラしても困ることはなかったです。
だから最近のGmailの不調と検索機能の好調には妙なちぐはぐさを感じながらも、『中国だからしょうがない』と納得していました。
しかし一週間前、おそらく3月14日に閉幕した全人代以降でしょうか。中国関係のニュースについて調べ物をしたくていつものようにグーグルツールバーで『中国 ●●』と入力すると、上記の画面になりました。
たまにはこういうこともあるだろうと、その日はそのままにしました。そして先週の土曜日に、日本の大震災のために中国で行われているボランティアについて調べようと『中国 募金』と入力して検索すると、またもやページ読み込みエラーの画面が出ました。
でも変なんです。ボクはここ数週間、中国とは思えないほど快適にグーグルを使えていたのに、中国のことを調べようとするときに限って中国らしい理不尽な対応をされます。もしやと思い、時間をおいて『中国』と一単語だけ入力するとやっぱり遮断されます。
ボクが住んでいる場所(ボクは北京市東部の朝陽区に住んでいます)の問題なのかと、海淀区(北京の西側)にいる友人に聞いてみても、やはり『中国』が検索の障害になっていると言われました。
自国の名前も検閲対象に
まさか中国政府は自国の名前を検閲対象に入れたのでしょうか。国名自体がNGワードになるってことは、中国は『中国』自身を社会と人民を惑わす有害な存在と指定したのでしょうか。それとも、書くことすら憚られるほど畏れ多い言葉になってしまったのでしょうか。
ちなみに中国のグーグル(谷歌)では検索可能です。しかし出て来るのは中国語のサイトばかりなので情報の面で言えば全然役に立ちません。
これでますます中国にいながら中国を知られなくなりました。
追記:3月22日現地時間の午前1時に『中国』を検索したらちゃんと表示されました。浮かれてもう一回検索ボタンを押すとやっぱり遮断されました。もう何が何だかわかりません。
*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。
*補足
ちょうどタイムリーなことに、グーグルは21日、「中国本土におけるGmailの障害は中国政府によるもの」との声明を発表しました(参照リンク:Gmailの妨害は中国政府によるもの, とGoogleが公式に声明(TechClunch))。
サービスへのログインには何ら問題がなく、メッセージの送受をはじめとする、ルーチンワークをしようとすると問題を経験する。しかも問題はユーザ間にランダムに分散していて、インターネットカフェで誰かがGmailの問題に遭遇しても、そのすぐ隣の席のユーザは何ともない、ということもある。という「ネット検閲なのか、グーグル側の問題なのかわからない」と巧妙に偽装されたものです。声明はGメールに関するものですが、過去記事「検閲強化で中国ネット民が悲鳴=日本の家族の安否確認にも支障」でとりあげたように、問題はグーグルが提供する他のサービスにも広がっています。