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<中国ジャスミン革命>集会地点はさらに増加?!大学生500人が参加との報道も―中国コラム

2011年03月23日

第5回ジャスミン革命

長期戦を覚悟しているはずの中国ジャスミン革命が、一気に北京での集合場所を増やしてきました。

西単、中関村、北京動物園、公主●駅(さんずいに「文」)、前門、王府井、オリンピック村、北京西、北京駅、三環北京富力広場の10ヶ所に加え、北京大学、清華大学を始めとした北京市内の20大学の校内にも、集合場所を設置しているのです。つまり、北京市中心部だけで30ヶ所の集合地点があるのです。

発起人が北京を重視しているのは、両会があろうがなかろうが、中国で最も注目を集める都市であり、記者のほとんどが駐在する首都であり、ここでの結果が他の地域に影響すると言っても過言ではないからでしょう。

20110323_jasmin

*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。


今回の集合地点をgoogle mapさんでまとめてみました。青が大学、赤が繁華街など、緑が第1回から集合場所になっており、2005年の反日デモのスタート地点となった海龍ビル、黄色が天安門広場となっております。

第3回(3月6日)、第4回(3月13日)の2回とも、当日の大学は出入りが厳しく制限され、参加できなかった事に対する、学生達の反発なのではと考えられます。これほどの多くの大学に一方的に集合場所を設定するなどありえませんから、学生側と主催者は既に連絡を密にしているのでしょう。

これまで中国ジャスミン革命が求める所に対して、中国政府は「国内外の極少数による」といった陰謀論を繰り返し、失望が学生達を革命に駆り立てつつあるのかもしれません。一連の腰が引けた社論よりも、温家宝が全く正面から取り組む姿勢を見せなかったのも失点です。

大学での集合が予告されているわけですから、当然公安の警戒は厳しさを増します。北京大学では入り口前に無数の乗用車を置いて一般車両の進入を妨害すると共に、多数の人間が集まれない措置が取られるなど、大学は引き続き厳戒態勢で学生の出入りをチェックしていました。5人以上固まっていれば解散させるなど、大学生に重点が置かれたようです。

市内の集合場所では、赤腕章(治安ボランティア)は減ったものの、公安関係者が集合場所をうろつき、信号機や陸橋には監視カメラが設置されるなど、両会閉会後も警戒態勢は緩んでいません。また、集合場所に名前の無かった大学にも公安が向かったとの情報もあります。留学生からお話が聞ければいいんですが。

北京での集合は今回もかないませんでしたが、陝西省では大学生の集会が成功しています。


陝西西北工業大学でジャスミン革命(2011/3/21 RFI)

   

香港のりんご日報が、ツイッター経由で仕入れたという若干眉唾ソースではあるのですが、陝西省の省都西安市にある西北工業大学で、大学生約500人が予定時間の午後2時に一斉に寮から出てくると、校内を無言で「散歩」したとのこと。

もちろん同大学でも警備が増員されているだけでなく、学生達が寮から出始めるやいなや、校内には寮へ戻るよう求める学校側の放送が流れ、「忠告を聞かなければ除籍する」との脅しまであったようです。

「散歩」は公安の説得でまもなく終了し、逮捕者を出すことなく寮に戻っていますが、治安維持への予算が増大しそうなイベントが成功したお陰で、来週は大学への監視が強まりそうです。


中国ジャスミン革命発起人3月27日散歩公告(2011/3/22)
   

来週は北京市内の大学での集会設定はないものの、「土曜の朝10時から夜6時までの時間で、指定された場所で散歩してください。学校封鎖されてても、図書館とかに集まってお話しすればいいんじゃね?」とアドバイスは忘れていません。

しかし、一度集合場所が増えてしまったのですから、警戒を緩めることは出来ず、コスト垂れ流しは続きそう。ブログのコメントには「マクドナルド全部を集合場所にしたら警備も分散されるよ」「毎晩7時からやって、警官を超過勤務させてみるテスト」と、怖い書き込みが。

こうやって、治安コストはどんどん膨れ上がるのでした。

*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。

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