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「ひざまづいて町中を歩けば金をやる」金持ちの息子の言葉を信じた慈母―政治学で読む中国

2011年03月25日

「金持ちの息子」の言葉を信じた慈母

たまたま『環球網』を見ていたらあまりに腹がたつやら、悲しくなるやら、どうしたよいかわからない記事が掲載されていたので、紹介させてください。

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*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。


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3月22日の午後、広州である母親が生後6ヶ月の娘を抱え、跪いて歩いていたそうです。それを見た記者が、母親に声をかけ、理由などを聞いて記事にしたものです。

母親が抱いている娘ですが、去年の8月31日に生まれたものの、生後2ヶ月経った頃、目がおかしいのではないかとなり、病院に連れていったところ、目の癌と診断されたそうです。

この夫婦は夫の裁縫工場での2000元(日本円にして3万円程度)の月給しか収入がなく、治療を受けるために既に、5万元もの支払いをしており、全ての蓄えを使い切ってしまいましたが、それでも娘の病気はよくなりませんでした。

現在では、既に左目は視力を失ってしまい、このままでは右目も見えなくなってしまうそうです。それどころか生命の危機にもかかわるということで、万策つきた夫婦はネットに助けを求めました。

そしたら「広州の金持ちの息子」と名乗るネットユーザーが広州の町中を跪いて1キロ歩いたら、2万元くれると言ってきました。それを見ていた他のネットユーザーは腹をたてたものの、母親はそれでお金がもらえるのなら、少しでも可能性があるのならということで、この行動に及んだというわけです。

その結果ですが、おそらく多くの方が予測しているとおりで、このユーザーは最初から全く金をくれる気はなかったようで、記者が連絡をとったところ、母親はずるをしたとか言い訳をして、結局お金をよこしませんでした。

せめてもの救いはこの母親の行動を見た周りにいた人々が彼女に手持ちのお金をいくらかづつでもあげたことですが、あまりに悲しい話です。実際中国では、医療保険がないため、満足に治療を受けることができない者が多く、これと似たような悲劇は数多くあります。

中国というと、目覚ましい経済発展ばかりに目を奪われがちになります。激しい貧富の差などきびしい現実があります。確かに豊かな者が数多くいるとはいえ、一方でこうした貧しい方はそれ以上に数多くおり、貧しい生活に耐えております。願わくばこの記事を見た金持ちが彼女に寄付の申し出をしてくれることを心の底から願っております。

*写真は環球網の報道。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

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