中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年03月28日
福島原発の放射性物質漏出事故を受け、中国国家品質監督検験検疫総局は一部日本食品の輸入禁止を決定した。日本製食品への不安が高まる中、以前は「安全の日本食品」を高らかにうたっていた販売店に変化が生じている。
27日、広州市内の日本食品販売店、スーパーを回った。ある店舗では普段は隠している「国産」の二文字を全面に押し出し、「日本メーカー製ですが、生産地は中国です」と説明していた。スーパーで販売されていた日本メーカー製粉ミルクを見ると、原産国はオーストラリアとの表示。あるメーカーの販売員は同社の生産ラインはすべてオーストラリアに移転、今夏には供給を再開できると説明した。
日本製であっても、被災地からは遠い場所で生産されたと説明するケースもある。「千葉黒糖大豆」の販売店は、「千葉のメーカーですが、原材料は沖縄製です」と注釈を付けている。こうした態度の急変は実店舗からネットショップまでいたると ころまで見られる。以前は「間違いなく日本生産品」だと誓っていたショップが産地を変えた。中には以前と今とで主張が矛盾しているところもある。また「震災前最後の生産ロット」と称している販売店も少なくない。
―――――――――――――――――――――――
中国でも「安全安心」の代名詞だった日本食品ですが、今回の地震で受けた打撃はまさに甚大なものと言えるでしょう。
先日は「震災前生産ロットの日本製化粧品が馬鹿売れ」などというニュースもありました(関連リンク:震災で生産中止?日本製化粧品、品薄懸念から売上急増=一方で放射能汚染との風評被害も―中国 (レコードチャイナ))。肌に直接塗る化粧品だけに、健康被害に敏感になるのもわからなくはないのですが……。
また中国新聞網の記事は、「本当は日本製なのに海外製ってごまかしているんじゃないの?!」というニュアンスを伝えるような書きっぷり。メディアによって不安感がさらに書きたてられる問題は今後も続くでしょう。原発の放射性物質漏出が止まらぬ中、不安が増すのもいたしかたないと思う一方、海外メディアに対しても丁寧に説明することで、少しでも過剰な懸念を解消できないだろうかなどと考える次第です。
参考リンク
使用食材、実は非日本産でした!和食レストラン、風評被害恐れ続々と「白状」―北京市(レコードチャイナ)
まさか中国産をウリにする日が来ようとは…と少しショック(画像の真偽は分からないけど)
農薬汚染野菜vs放射能汚染野菜
さあどっちを食べる?