中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年03月28日
ニジニ・ノヴゴロドに戻ってすでに一週間経ちました。その間、日本のことを聞かれない日はありません。みんな日本のことを心配しています。ロシアはチェルノブィリのことがありますので、ここの人々にとって原発事故は人事ではないです。
チェルノブィリについての本で『チェルノブイリの祈り』という本があります。私はロシア語で読んだのですが、Kazueさんのブログ「日本出身のモスクヴィチカの徒然」を読んで、日本語版も存在していることを知りました。この本は、爆発後の消火活動に参加した消防士やチェルノブィリの住民たち、というごく一般的な人々のストーリーを集めたものです。
「お勧めの本」・・・とはとても言えません。読んでいてとてもつらくなるからです。でも、原発にかかわる人、特に上の立場にいる人たちはこの本を絶対読んでおくべきだと思います。原発を扱う上で自分たちがいかに大きな責任を背負っているかということを改めて実感できるからです。
日本の今の状況は当時のソ連とは全然違います。事故の原因が天災だったというのも大きな違いですし、被害の規模も違うし、政府の対応も当時のソ連とは全然違います。でも、一度事故が起きると、なかなか人間の手には負えないという点では残念ながら同じです。
日本の原発の放射能はこれ以上漏れない、原発事故が二度と起きないことを祈るばかりです。
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「日本とロシアのどちらがいい?」とロシアに戻ってから、ゆうくんは日本のおばあちゃんに電話で聞かれました。今までだったら絶対に「日本」と即答していたゆうくんは初めて「両方好き」と答えました。今回のことで教室などで多くのロシア人たちに心配され、あつい歓迎を受けてそう思うようになったのだと思います。
*当記事は2011年3月27日付ブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。