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「女子大生ホステスにならないように小学校から教育しようぜ」放言の裏側に見える中国社会の変化

2011年03月30日

女子大生が金持ちの愛人に、あるいはホステスになってしまう。ダイエットのやり過ぎで死んでしまう女性も。向上心なく専業主婦に甘んじる人も……。こうした問題はぜーーーーんぶ、女性教育の失敗です!!!!


Lilah (Atsuko Kudo) [Identified] / Fetish Art Identification Search


というのは、まあ頑固な人なら言いそうな意見。まあそういう考えを持っている人がいるのは、別に不思議ではないのですが、エライ人が「そうですね。小学校からビシバシと女性教育をします(キリッ」などとコメントすると、ちょっと問題になるわけで……。30日付中国婦女報30日付新華毎日電訊を参照しました。


おじいちゃんの発言

問題の発言があったのは28日。広東省婦女児童活動委員会主催の婦女児童発展計画(2011~2020年)編成インターネット質問ネットユーザー座談会でのこと。

72歳の元広東省女子中学校長である繆美賢氏が次のような発言。

伝統的な女性教育は「婦徳、婦容、婦功」の修養を通じて「淑女」を作るものでした。そしてその影響を受けた現在では、より社会化され、美容、礼儀、女性の仕事、家政などが重んじられるようになり、女性職業教育とともに発展して参りました。しかし、女性教育はこれだけでは足りないのであります!

現代女性教育はすべからく「四自」教育(自己を尊重、自らを軽んじ卑しむことを戒め、自分を信じること)、革新教育、調和教育を重視しなければなりません!
正直、何を言っているのかよくわからないのですが、ポイントは「四自教育」にありそう。つまり、愛人になるっつーのは自分を安売りすることなんだよ!とか教育するというお話です。

「自分を尊重しろ、安売りすんな」と念仏を唱え続けると、愛人やホステスの数が減るっていうのならばそれでいいのかもしれませんが、コネがないと仕事が見つからないとか、男のほうが仕事を見つけやすい出世しやすいなんていう社会経済的問題がある限り、あんまり意味ないんじゃないかと思いますが。


小学校から「反愛人教育」を実施するぜ!エライ人のお話

まー、72歳の元女子校校長さんならばそういう発言をしそうだなーと思うぐらいで(偏見です)、本来ならばどうでもいいお話。

ところが問題はここからで。ネット座談会に出席していた広東省副省長、同賞婦女児童活動委員会主任の雷于藍氏は「我が意を得た気持ちであります!広東省では小中学校から「四自」教育を中核とした女性教育試験地域を設けることを検討。その成果を拡大させていくつもりであります」などと発言したので、ちょっとした騒ぎに。

「社会経済的問題を無視してすべての責任を教育に帰すのはアフォでしょ」「女だけ教育して、男の教育はないのかい?」としごくまっとうな批判があちこちからわきあがっています。勉強しなければいけないことが山ほどある現代の子どもたちに、こんな無意味な授業をしているヒマないと思うんですが。


21世紀中国のバックラッシュ

なんでこんな地味なネタを取り上げたかというと、中国の「封建回帰」の動きに結構興味を持っているためであります。

女性問題に関していうと、「中国初の「お嬢様学校」が誕生=クラシックバレエ、家政学もカリキュラムに」なんていう記事も取り上げましたが、「男も女もプロレタリア。どっちも働け。家事も分担しろ」という前衛的な部分も多かった社会風土から、「しゃなりとしたお嬢様がいいよね。金があれば女性は働かないほうがいいよね」という発想が広がりつつあるように思っているからです。

急速に風化しつつある社会主義思想。その後に中国で主流となるのはどういう観念なのか。結構、気になるトピックです。


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