浜の真砂は 尽きるとも、世に中国スパイネタは尽きまじ
というわけでいつもどおりのお話ではあるのですが、ちょっと面白いのがバトルの火蓋を切ったのが、カッケー掃除機&扇風機で知られるジェームス・ダイソン氏という点です。
Dyson Air Multiplier vs Conventional fan / michael.aulia発端となったのがこちらの記事。
ダイソン:中国は英国の大学に盗聴器をしかけている(サンデータイムズ、2011年3月27日、有料記事)
コンピューターウイルスしかけてるんだぜ、あいつら:ダイソン
ダイソン氏の主張をつまみぐいすると、
・英国の大学には山のように中国人留学生がいる。
・で、そいつらが帰国すると、英国で学んだ技術を使って競争相手になってんだぜ。
・それどころか、コンピューターウイルスをしかけているから、帰国してからも情報を入手してるのよ。
・英国の大学が他国とその会社をせっせと育ててやっているつーのはどうにも悲しいね。
という内容。具体性がゼロなのでいかがなものかとも思うのですが、ご丁寧にも「深刻な問題だと思ってますよ」(ロンドン大学のニコラ・ダンブリッジ氏)というコメント付き。
根拠レスな話をまき散らさないでよね!:中国大使館
で、この記事に中国大使館が反論。4月3日付サンデータイムズに掲載されたようです(
4月4日付国際在線)。曰く、
・根拠ゼロじゃないすか。そんな話し聞いたことないですよ。
・英国に滞在する中国人留学生や研究者は12万人弱になりますけどね、ほとんど自費留学ですよ。学費やら生活費やらなにやらと随分英国経済に貢献しているじゃないですか。
・中国人学生のために勉強しやすい環境を整えてくださいよ。メディアは客観的な報道4649。無責任な伝聞を巻散らかすのやめてちょーだい!
まとめ
具体的な証拠がない、ほぼ「放談」レベルの話なので、「サンデータイムズはちょっとひどいんじゃないの」という印象。ダイソンは今のところ中国では大々的に展開していないようなので、好き勝手言えるというのもあるのかも。
正直、あのダイソン氏の発言という以上に新たなファクトや新鮮味はないネタではありますが、もう一点興味深いのは中国大使館の素早い反論。ここ数年、世界各国で中国スパイネタがたびたび話題となっているだけに、「この手のネタには即座に反論せよ」というマニュアルが用意されているんじゃないでしょうか。
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