中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月04日
金払え、さもなくば無縁仏になるぞ
書き込みは成都市のある大型墓地が新聞に載せた公告を紹介。死者とお墓の番号のリストを掲載し、「管理費の未払い金があります。ただちに手続きしないと無縁仏として処理しますよ」という内容でした。
日本人からしてみれば、管理費を支払わないとお墓が召し上げられてしまうというのは常識的な話のように思いますが、中国ネット民の反応は「ええ~、お墓買ったのに使用期限付きだったの?」「住宅の場合、国から土地使用権を借りるっていう形式だけど、その期限は70年間。20年って短すぎない?」と大騒ぎに。
「お墓って1平米あたりの値段にすると、家よりも高い!」「不動産業者が暴利をむさぼっているね(キリッ」「ペット用の墓が販売されているけど、うちらの墓より豪華だwww」「金持ちの墓、ヤヴァイぐらいゴージャス。1000万円以上もごろごろあるって。死んだ後も格差社会だぜ」などなど、さまざまなネタに話題は拡大しています。
冷静に背景を分析していたのが3月30日付北京晩報の記事。1992年に「公墓管理暫定弁法」という公共墓地管理に関する法律が施行されたのですが、「墓の管理費は一度に20年以上徴収してはならない」という規定があるそうで。で、法律施行から19年が経った今、最初に20年分の使用料を払った人が再度使用料を支払わないといけない時期が到来したとのこと。
14億人のお墓
以前にも記事「海洋散骨、樹葬、花葬……広がるエコ埋葬=死者も生者も困っている中国の墓不足」で中国のお墓事情を紹介したことがありますが、なにせ14億人民を抱える中国。お墓不足も深刻です。家族単位で埋葬する日本と違って、一人一つずつお墓が必要になるのも厳しいですね。そのため、最近では土地をとらない海洋散骨や墓石や盛り土ほど場所を取らない樹葬、花葬を推進しています。
迷信を打破する社会主義パワーでお墓がいらない散骨スタイルを普及させたいところなんでしょうが、100年にも満たない新参者の社会主義では、数千年の風習を変えるのは難しそうです。