中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月05日
年々ゴージャスになるイベントですが、今年はCCTV、陝西テレビ局に加え、台湾の中国電視公司も中継したとのことですが、それもそのはず。国民党名誉主席の呉伯雄までかけつけてきたというから驚きです。
黄帝といえば、五帝の最初の一人にして漢民族の祖。国をあげて黄帝をお祭りするのは少数民族統合の観点から見ていかがなものかと思ったのですが、気がつくと中国語のサイトでは「黄帝、中華民族の祖」と書かれているケースが多いもよう。
「中華民族」とは漢族、ミャオ族、ウイグル族、チベット族など個々の民族の上位概念にあたるものでして、中国56の民族はすべて一つの「中華民族」なのだ!ということになっているのです。これで中国の一民族一国家を達成!ばんざーい(?)。しかし、ロシア族とかまで黄帝の子孫だという設定には無理があるような……。
ちなみに去年、東方早報に掲載されたコラムによると、今、中国では「公祭」(追悼式典)ブームなのだとか。河南省周口市の伏羲公祭、浙江省紹興市の大禹公祭、甘粛省天水市の伏羲公祭などなど、地方政府主催の公祭は数十に及ぶのだとか。
陵の建設・整備でお金が使えるし観光スポットにもなるということで、地域振興につながるというのが目的のよう。まだ公祭を開催していない地方政府も、中華5000年の歴史を調べては地域に使える伝説を掘り起こしている作業を続けているんじゃないか、と。もちろん全部が全部、成功するわけはないので、10年後に生き残っている「公祭」を見れば、中国ナンバーワン偉人が分かる、かもしれません……。