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「中華民族の始祖」黄帝の墓掃除式典=激化する「伝説の偉人」ビジネス―中国

2011年04月05日

2011年4月5日は、二十四節句の一つ、清明節。掃墓節とも呼ばれ墓掃除をする風習があるのですが、個々のお墓のみならず、「中華民族の始祖」のお墓もがっつり掃除されました。

20110405_huangdi
画像は千龍網の報道。他写真あり

陝西省延安市黄陵県の黄帝陵(日本語ウィキペディア)。この地で死んだ黄帝が天に昇ったという伝説が残る地で、歴代中華王朝はこの地で大規模な祭祀を執りおこなってきた。文化大革命で破壊されたが、その後再建が進んだ。2004年から清明節に国主催のお墨付きを得た、黄帝陵の墓掃除(?)である「清明公祭軒轅黄帝典礼」が開催されています。

年々ゴージャスになるイベントですが、今年はCCTV、陝西テレビ局に加え、台湾の中国電視公司も中継したとのことですが、それもそのはず。国民党名誉主席の呉伯雄までかけつけてきたというから驚きです。

黄帝といえば、五帝の最初の一人にして漢民族の祖。国をあげて黄帝をお祭りするのは少数民族統合の観点から見ていかがなものかと思ったのですが、気がつくと中国語のサイトでは「黄帝、中華民族の祖」と書かれているケースが多いもよう。

「中華民族」とは漢族、ミャオ族、ウイグル族、チベット族など個々の民族の上位概念にあたるものでして、中国56の民族はすべて一つの「中華民族」なのだ!ということになっているのです。これで中国の一民族一国家を達成!ばんざーい(?)。しかし、ロシア族とかまで黄帝の子孫だという設定には無理があるような……。

ちなみに去年、東方早報に掲載されたコラムによると、今、中国では「公祭」(追悼式典)ブームなのだとか。河南省周口市の伏羲公祭、浙江省紹興市の大禹公祭、甘粛省天水市の伏羲公祭などなど、地方政府主催の公祭は数十に及ぶのだとか。

陵の建設・整備でお金が使えるし観光スポットにもなるということで、地域振興につながるというのが目的のよう。まだ公祭を開催していない地方政府も、中華5000年の歴史を調べては地域に使える伝説を掘り起こしている作業を続けているんじゃないか、と。もちろん全部が全部、成功するわけはないので、10年後に生き残っている「公祭」を見れば、中国ナンバーワン偉人が分かる、かもしれません……。

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 コメント一覧 (3)

    • 1. あ
    • 2011年04月06日 08:53
    • アダムとイヴでも拝めば?
    • 2. マネ
    • 2011年04月07日 17:47
    • 馬鹿馬鹿し、と言いたいだけです。
    • 3. Chinanews
    • 2011年04月07日 18:01
    • >マネさん
      日本もバブル時代はいろんなアフォな物を作ったけど、中国ほど大がかりなものをばんばん作ってはいなかったですね。すごい!

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