中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月09日
花見のため武漢大学を訪れた、あるネットユーザー。真っ赤な車の上に裸足で立つ、薔薇を抱えた女性を見たとのこと。車の前には「marry me」と書かれたボード。何が起きるのかと見ていると、なんとボーイフレンドへのプロポーズでした。
ところが男性はプロポーズを断ってしまいます。目撃したネットユーザーは、「これほど大がかりでロマンチックなプロポーズが断られてしまった、本当にかわいそうだ」との感想。私も同感でした。しかし、この話には続きがあるのです。
男性は言いました。「プロポーズは私からするべきだ。ただ、今、自分は何も持っていない。だから、プロポーズすることも、結婚することもできない。3年間待ってくれないか。その間に金を貯めて、家と車を買う。そして、君にプロポーズする」と言ったそうです。
男性の言葉を聞いて、女性は泣いて喜び、周りの人も祝福をしてくれたというのが結末。いい話ではありますが、同時に中国の男性は本当に大変だなと思いました。日本では、結婚してから2人で新居のことを考えていけばいいのですが、中国の伝統的な発想では、結婚する前に男性側が家などを用意しなくてはなりません(特に現在は不動産価格が高騰しており、かなり大変です)。
この記事の最後のページに他のユーザーの感想が書いてあったのですが、どれも共感できるものでした。「自分だったらこんな機会を逃さない」と言う人もいれば、「実際にこんなことがあるはずがない、どっかの金持ちがしかけたロマンチックごっこだ、釣りに違いない」という書き込みもありました。
確かに釣りだった可能性も否定できませんが、なかなか楽しい見せ物であったことは間違いありません。こういう釣りなら、周りの人も見ていて楽しかったのではないでしょうか。
※写真は新華網の報道。
*当記事は4月6日付ブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。