中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月10日
ただ、ネット上で出回っている情報を見ていくと、公用車無料駐車証にもさまざまなバリエーションがあるようで、発行機関も「首発公司」「公聯公司」と一定ではありません。
で、本当のところどうなのと、新京報が北京市や関係機関に確認したところ、デマだったというのがこの記事の結論です。大した内容ではないのですが、いろいろな意味で、今の中国を反映している大変興味深い記事でした。
「北京市公用車無料駐車証」はデマだったとはいえ、中国の公務員の特権はすさまじいものです。本当に無料駐車証があったとしても何の不思議もありません。昔からまことしやかに言われているのは、交通事故になった時、たとえ相手に非があっても公用車を相手にしては勝ち目がない、車のナンバーをよく見て公用車にだけは絶対にぶつけないようにしろという話。
そして、中国の偽造証明書問題についてもよくわかる話となっています。現在ではあまりにも広く知られてしまって、逆に通用しなくなってし まっているのですが……。大学の卒業証明書や成績証明書などはいくらでも偽造できるので、会社も採用の際、大学のウェブサイトを見て卒業名簿を確認するしかなくなっているのが現状です。
そういう意味で、ニセ証明書が出回っていても何の不思議もありません。もしかすると誰かが悪知恵を働かせて、駐車場代を節約してやれと思ってありもしない(でもあっても不思議ではない)証明書を偽装して始めたことが、ネットで広がってしまっただけということかもしれません。
*当記事は4月8日付ブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。