先月、北京に行ったのですが、地下鉄で目にしたのが「奇芸」というウェブサイトの広告。中国検索大手・百度旗下の動画視聴サイトです。


＊画像は奇芸のトップページ。

中国の動画視聴サイトといえば、いわゆる「避難港原則」を利用した「うちは動画をアップできる場所を提供しているだけ。海賊版動画をアップしているのはユーザーなので企業に責任はありません！」というサイトが主流でしたが、最近はちゃんと版権を取得する動きが出てきました。奇芸もその一つで、アップされている動画はすべて正規版という触れ込みです。

まじめに版権を取るとなると、当然の如くなかなか品揃えは難しくなるわけで。

例えば人気の日本アニメでアップされているものは、

鉄腕アトム　全52話
スラムダンク　全101話
クレヨンしんちゃん　全160話
ウルトラマンガイア　全51話
ウルトラマンティガ　全52話
ちびまる子ちゃん　52話まで
ウルトラマンダイナ　全51話

の7作品のみ。「最新作が日本で放映されたその日に公開される」海賊版サイトと比べるとだいぶ見劣りしますが、とはいえ高画質の動画がそろっているのはすばらしい。ちなみに日本からは見られないようになっています。しかし中国のドラマや映画は見放題、しかも高画質の正規版というのはすばらしいところ。中国のDVD売っているお店は大打撃でしょうね。

また、「奇芸影音」というP2Pクライアントソフトをインストールするとより高画質のバージョンが見られる仕組みだそうで。このソフトを使用すると、ユーザー間でデータの受け渡しをするので奇芸の帯域が消費されない＝運営コストが下げられるという仕組みのよう。

なかなか面白いサービスだと思いますが、はたして海賊版天国・中国で奇芸は生き残ることができるのでしょうか。今後が楽しみです。