中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月11日
日本食品の風評被害は深刻化
また香港や大陸の日本料理店では、福島県産の農産品を使用していないとわざわざ断り書きを出していても、売り上げは全然伸びていないといいます。売り上げがさっぱりで倒産寸前の日本料理店まで出てきました。
同じ日本人の私としてはもどかしい気持ちでいっぱいですし、聞くたびに憂鬱な気持ちになってしまいます。 その原因は、「日本産の野菜はすべて放射能に汚染されている」というある種パニック心理が中国人の間に拡大しているからでしょう。
「放射能に汚染されている」といっても、人が食して健康に影響が出るレベルに到達しているものはごく一部であり、市場にすら出回っていません。ほぼすべての日本産農産品は全く安全だということを私たちは知っています。でも中国の人たちにとってはそのことを信じてもらえないようです。
これもあおり気味の中国国内のマスコミのせいなのでしょうか。私自身「日本産の野菜は安全なんだ」ということを中国の真ん中で叫びたい。そんな気分です。
忘れられていた中国産食品の風評被害
そのようなことを中国人の友人に話したところ、「数年前の日本人だってそうだったじゃん」といわれてしまいました。友人が指しているのは毒ギョーザ事件や粉ミルク事件のことでしょう。確かにあの事件で日本のマスコミは、中国産の食品の危険性を大々的に報道しました。少々あおり気味の報じ方に、わたしも辟易した覚えがあります。あの煽り気味の報道で、多くの日本人に「中国産食品は危険だ」という認識が植えつけられてしまいました。
Gyoza, Jaozi, 餃子 / jetalone
実のところ「中国産食品は危険だ」という風評で、当時どれだけの中国の農家が被害を被ったかはほとんど報じられていません。しかし大きなダメージを受けたのは間違いないでしょう。日本のマスコミはそのことを全く報道していません。
私も4年ほど中国に滞在していたことがありましたが、中国産食品を食べて生命の危険を感じたことはありませんでした。しかもあのような事件が発生し、危険性が指摘されてからも、私たちは多くの中国産食品を食べ続けており、健康被害に遭ったという報告はほとんど聞かれません。
「問題がある食品」はほんの一握りに過ぎないですし、多くは製造、梱包、出荷、流通の過程ではじかれているのです。そのような一種の常識を私たち日本人は当時冷静に考えることができなかったといえます。
あの毒ギョーザ事件から、「ギョーザに毒物が混入していた」→「中国製品は全部危険」という短絡的な思考を私たちは解決できたのでしょうか。
毒ギョーザ事件や粉ミルク事件は中国食品業界全体の「氷山の一角」と見ることも、「ほんの少し」と見ることもできます。しかし翻ってみて、福島産の野菜問題についても、同じような見方を中国人にされたら、私たちはどういう気持ちになるでしょうか。
毒ギョーザ事件や粉ミルク事件は人災、福島県産野菜の問題は農家には不可抗力な災害であり、全く質が違うという主張をする人もいるかもしれません。確かにそうでしょう。
でも庶民が「一部がこうだから、全体もそうである」という短絡的な思考に陥った部分では同じだと考えます。そして、、この根本には、日本人の中国人に対する根強い不信、中国人の日本人に対する根強い不信が存在していたからともいえるのではないでしょうか。
短絡的思考に陥ってはならない
日本政府は福島県産を含め、日本の野菜全体に対する信頼回復を早期に進めるべきです。野菜に汚染が見つかったあとも外国における風評対策を取らず、策が後手後手に回ってしまったことがこのように風評が拡散してしまった大きな原因なのでは私は考えます。日本政府に猛省を求めます。
そして・・私たち日本人はこれを機会に「一部がこうだから、全体もそうである」という短絡的な思考を持たずに、多角的に情報を考える習慣をつけるべきです。「一部の中国人が犯罪を犯しているから中国人すべてが悪い」という考えは、究極的には今回の野菜騒動と同じように、風評につながります。被害を受けるのは何も罪のない善良な中国人です。
同じように今回の件で、中国人の側にも冷静さを求めます。短絡的思考に陥らないよう「情報の是非」をしっかり見極めてほしい。そう思います。
*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。
中国の農作物が危険なのは世界常識だろうが
どこの世界に「プラスチックで米」作ったり、「髪の毛から醤油」作ったりしてる国があんだよ?
ふざけたこと抜かしてんじゃねーよ!
俺は香港で3年働いていたが、中国の農作物は「毒菜」と呼ばれて誰も食べちゃいなかった
根本的に日本と食の安全性が違うんだよ!
嘘ばっかりついてんじゃねーよ
中国に1週間も滞在すれば嫌でも「毒菜」って聞くはずだし