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村上春樹から太宰治まで=中国人オタクが読む日本の小説(ラノベ以外)―中国オタ事情

2011年04月16日

中国オタクが読む日本の小説(ラノベ以外)

このブログではライトノベルと中国オタクについてちょくちょく紹介させていただいていますが、ありがたいことに「日本の小説は、ライトノベル以外ではどんな作品が読まれているのでしょうか?」といった質問をいただきました。


IQ84 Book1.2.3 / 飞鱼Calibre


最近はライトノベル原作のアニメも珍しいものではなくなってきていますし、正式に翻訳出版されるライトノベルの数も結構な量になってきています。漫画よりちょっと読み応えのある物を求めてライトノベルに手を出す中国オタクも結構いるようです。

またそんなラノベ読みの中国オタクは、中国の文学青年層(?)と微妙に重なるところもあるようで、ラノベ以外の日本の小説にも手を出しているのが少なくないようです。先日私の巡回先でそういったことに関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺りを。

*当記事は4月3日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。

それでは以下、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

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私が日本の小説に本当にハマるきっかけになったのはライトノベルだけど、それ以前から日本の小説は読んでいたし心に残る面白い作品も少なくなかった。みんな非ラノベな日本の小説では誰の作品読んでる?とりあえず私は川端康成の「伊豆の踊り子」とかが良かった。



すぐに思いついたのは東野圭吾かな。「悪意」や「白夜行」が面白かった。



俺は太宰治の「人間失格」に夢中になったね。あの作品はスゴイ。読んでいる時私はモノスゴイ没入感を覚えたよ。



日本語分かるなら川端康成は原著を読むといいよ。「伊豆の踊り子」はまだいいんだけど「雪国」は翻訳で読むと良さがあまり分からないと思う。私も中国語翻訳版で初めて読んだときはイマイチに思えたし。


夏目漱石の「吾輩は猫である」かな。考えてみればあれが私の動物萌えの最初の一歩だったのかな……



村上春樹の「ノルウェイの森」。高校の時にハマった。


俺、実は村上春樹は買ったけど読んでない……流行に踊らされてしまった。とりあえず非ラノベだと東野圭吾が好きかな。「白夜行」なんかの推理物が好きなんで。



うーん、パッと出てくるのは芥川龍之介かな。黒澤明の映画見た後に原作が気になって読んだ。


宮部みゆきかな。社会モノとしても推理モノとしても読めるのが面白い。推理モノとしては他にも東野圭吾や西澤保彦なんかも好き。


ちょっと自分の本棚を調べたら、私は渡辺淳一を結構読んでるのが分かった。



私は「落窪物語」が結構印象に残ってる。アレの作者は10世紀頃の貴族ってのが通説らしいね。



星新一のショートストーリーは面白い。時々ふと読み返したくなるんだが、読みたい話がどこに収録されていたか分からなくなってることが多いので困ったりもする。



小林多喜二の「蟹工船」がなんか印象に残っているわ。


私はラノベ以外だと語文の教科書で川端康成を読んだくらいかな……当時結構面白く感じたのは覚えている。(訳注:「語文」は中国の学校の「国語」にあたる教科です)



あー……私も推理モノ好きではあるけど小説よりもアニメや漫画だなぁ……江戸川乱歩とかをちょっと読んだくらいでしかない……


最近読んだのでは万城目学が面白かった。



あえてあげるなら太宰治と東野圭吾。太宰治の「人間失格」はもちろん名作だが、私は「東京八景」とかも好き。私の読んでいる日本の小説はラノベ以外だとだいたいが本格推理系の小説だね。



今ではラノベばかりな俺も、昔は日本の推理小説にハマってた。古い作品だと松本清張や江戸川乱歩、最近のだと東野圭吾。あと推理とはちょっと離れるが石田衣良なんかも読んだわ。



私はやっぱ村上春樹の「ノルウェイの森」かな。あとは宮部みゆきとかが好き。



個人的には星新一の短編は素晴らしいと思う。「おーい でてこーい」とか今の時代に読んでも全く問題ない。



いろいろ思い浮かんだけど好きなのをあげるとなると私も村上春樹かな。隠喩表現がかなり好み。周りで人気が高いのは「ノルウェイの森」だけど私は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の方が面白かった。



桜庭一樹と乙一はラノベと一般の小説どっちに入れればいいんだ?私はどっちも好きなんだけど。特に乙一の黒い作品とかが好き。



田中芳樹もどっちだろ?ライトノベルの概念が出てくる以前から活躍しているし、本格推理小説と同じレーベルから出たりしているんだが……

まぁどっちにしろ私は田中芳樹作品が大好きだ。


東野圭吾がいいと思う。てか最近東野圭吾人気だよね。中高生の間もで人気になってるらしいし。



私は太宰治の作品が好きかな。太宰治の作品ってなんとなく自分に重なる所が出てくるんだよね。他に読んでるのは江戸川乱歩とかの推理モノかな。



京極夏彦が大好きです。東野圭吾の本って結構前から中国語版があったけど、最近になって人気がどんどん高まってる気がする。あと伊坂幸太郎とかも結構いいよ。



正統派の推理作家で好きなのは島田荘司と東野圭吾。あとそれとはべつに京極夏彦も大好き。



名作はもうあがっちゃってるな。ここに出てないのだと私は山田悠介の「リアル鬼ごっこ」とかちょっと好き。



日本の文学作品っていうと推理小説が真っ先に思い浮かぶね。個人的には東野圭吾、横溝正史、島田荘司が好き。それにしても、気が付いたら自分の本棚におけるライトノベルの領土がものすごいことになっていた。その他の日本文学作品は片隅に追いやられている……



村上春樹をエロ小説としても楽しんだヤツは俺だけじゃないはずだ……!



森博嗣や司馬遼太郎が好きな自分はおっさんの世代に入ってしまうんだろうなぁ。



俺はライトノベルの「文学少女シリーズ」から太宰治を読み始めてハマってしまった……それまで日本の小説なんてライトノベルしか読んでなかったのに……


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とまぁ、こんな感じで。イロイロな名前が挙がっていましたが、やはり人気なのは村上春樹、それからちょっと古い作品だと川端康成や太宰治といった辺りも評判がいいみたいですね。

それからミステリー系が全般的に人気があるようで、最近では東野圭吾の人気が特に高いようです。また東野圭吾の作品では「白夜行」が気に入っているという発言をわりと多く見かけました。

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中国に入っている日本の小説ではミステリーの人気が高いという話をよく聞きますが、中国オタクの間でもそれは同じなようですね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*当記事は4月3日付ブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の許可を得て転載したものです。





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