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【中国食品】毒粉ミルクに地溝油、そして染色マントウ……中国のモラル崩壊は深刻―中国首相

2011年04月18日

2011年4月14日、温家宝首相は、国務院惨事及び中央文史研究館館員との座談会に出席した。席上、温首相は先日話題となった「染色マントウ」について触れ、「誠意の欠如、モラルの崖崩れは深刻な域に達している」と嘆いた。18日付楚天都市報を主に参照した。


馒头 / politizer



温首相は、次のように話している。

中国の改革開放から30年余り。経済社会の発展と民主法制の推進に伴い、文化建設は大きな進歩を遂げた。しかし同時にはっきりと意識しておくべきは、現在の文化建設、とりわけ道徳文化建設の分野は、経済発展と比較としてなお不足しているということである。近年、「毒粉ミルク(メラミン汚染粉ミルク)」「痩肉精」「地溝油」「染色マントウ」など頻発する悪質な食品安全事件は、誠意の欠如、モラルの崖崩れは深刻な域に達していることを示すものになった。もし国が国民の民度の向上と道徳的な力を持ち合わせなければ、本当の強国、尊敬される国になることはない。

参考リンク:
まだまだ終わらないメラミン入り粉ミルク事件=中国製品信頼回復の道遠く―翻訳者のつぶやき
「エアロビ豚」の恐怖!大手メーカーも使用していた化学薬品「新型痩肉精」―中国
「廃油」は西へ向かう=貧乏人が「下水油」を食べさせられる中国のエコシステム
大手スーパーに並ぶ不正商品=売れ残り品を再利用したマントウ販売―中国上海市

染色マントウ(マントウ=中華蒸しパン)とは、「売れ残り回収品を小麦粉に混ぜてもう一度、マントウを作る原料とした」「トウモロコシ粉を一切使わずに黄色い着色料を入れてトウモロコシ・マントウを作った」「この製品が比較的安心できると思われてきた上海市の大手スーパーに出荷されてよく売れていた」という事件。

死者はおろか、健康被害の報告もないという意味では、比較的たいしたことない事件(殺そ剤入りラーメンで死んだとかに比べると、ですが)なのですが、温首相がわざわざふれ、それが大きくニュースとして取り上げられたのは、今や中国食品安全問題は中国人にとっても大きな関心を占める一大トピックになってきたことを示すものでしょう。

この手の事件を報じる常套句としては、「許可証のない」「小規模の工場」による犯罪という話になるのですが、中国社会全体のモラル崩壊が要因と言い切ったのは、驚きの発言と受け取るべきかもしれません。

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