中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月21日
問題の条例『南通市公務員思想道徳と社会誠実行為に関する規範』は、今年1月28日、江蘇省南通市政府が公布したもの。「公務員の思想道徳建設を強化するため」に作られた条例です。「マルクス主義を勉強しよう」とか「無責任な発言はやめよう」とか「仕事註にゲームしたり、株取引したり、だべったりはダメ!」という内容。一種の心得程度といった感じですが、違反者にはマイナス査定がつくという罰則があったり。
で、問題となっているのは、「第5章:誠実であれ、品行方正であれ」という部分です。「ポルノ動画及び書籍の閲覧、収蔵、伝播。アダルト電話サービスを利用すること」「市民の危機に対して、正義感に満ちた行動をしないこと」「家庭内暴力を振るうこと。老人の虐待や子どもの教育を怠ること」「不倫など婚姻・過程道徳にもとる行為」などはすべて禁止に。ばれちゃうと、マイナス査定をくらって出世に響くというわけです。
まあ、一言でまとめると、「公務員は聖人君子であれ!」ということに尽きると思うのですが、「いくら公務員だからって24時間、規則で縛られなきゃいけないの?公司の区別はないの?」「正義感に燃えろとか言われても……。道徳って強制されるものなの?」といった、当然の批判があるようです。
まー、条例を制定した偉い人が先走って作った笑える条例とすませてもいいような話ではあるのですが、「公務員は卓越した徳の持ち主であり、民草を守る偉人なり」という儒教的発想は、民主主義から激しくかけ離れたものであることは注意しておくべきかもしれません。
ご自宅でAV見てもいいけど(中国では違法ですが……)、仕事はちゃんとルール通りしっかりやってねというのが何よりも求められていることのはずなんですけどね。
あり得ねえくらい幼稚な発想だわ
絶対に人間性の否定だな