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2011年04月28日
中国独立工会連合会、中国ジャスミン革命発起人共同声明(2011/4/25博訊)
声明は両団体の連名で出されており、寧波市(浙江省)、天津市、深セン市(広東省)でも独立工会支部が組織され、寧波市では上海市より早い4月15日からストライキを開始。
貴州黎陽航空發動機公司におけるストライキも、同会の組織によるものと主張しています。また、佛山市(広東省)のタクシー運転手ストライキについても関与を表明。これが酷い労働状態で、
・2回の交通違反で警察の罰金以外に会社が5000元(約63200円)徴収する罰金制度の廃止
・365日全日出勤、12時間労働などの労働状況を改善
・指定業者での強制車検制度とその費用負担の廃止
など、運転手側の要求が明らかにされており、追い詰められているとしか言いようの無い状況が浮かび上がってきています。
罰金は2か月分の収入に匹敵し、指定業者の修理費用は他所より高額と、ありえない位にあくどい会社。ただ、中華全国総工会という共産党系の労働者団体ではなく、独立工会連合会が組織しているというのがこれまでと違う点です。
去年は広東省で日系企業を中心にストライキが連続して起きたものの、仲裁に入ったのは官制団体・中華全国総工会でした。ここの力を借りないから独立工会を名乗っているのですね。
中華全国総工会公式サイト
ちなみにここのトップは王兆国・全人代副委員長(政治局委員)。サイトを見れば、どういう方向性かわかると思います。
共同声明では、「全国的なストライキを起こし、要求を受け入れるまで止めない」と結んでいます。上海で成功例がある以上、党中央もジャスミン革命みたいに公安を総動員しても問題が解決するわけではありませんし、アイ・ウェイウェイら人権活動家を片っ端から拘束したのは一体何だったのか状態に。
4月30日、5月1日ジャスミン革命公告
さて、次回のジャスミン革命は4月30日とメーデーの5月1日に開催されます。国内75都市で、以前よりも更に開催地が増えています。何ヶ所かは私も行ったことがありますが、見事に繁華街ばかりですね。
より大きな地図で 第5回中国ジャスミン革命 を表示
なかでも注目の北京は、天安門広場中央にある人民英雄記念碑(黄色)。
そりゃ無理だろみたいな場所ですが、他にも繁華街など10ヶ所がお待ちかね。上の地図は第5回のものですが、青色の各大学は予告されていないものの、公安としてはあるものとして警戒を緩めることは無いでしょう。
北京と上海限定イベントなのですが、毎週月曜はマック、火曜はケンタ、水曜はピザハットに集合と、公安さんの負担増を狙った設定がしびれます。木曜はディコス、金曜は永和大王とかでもいいのでは。
メーデーは日本では左巻きが集まってシュプレヒコールを挙げるだけの日でしかありませんが、アニバーサリー女みたいな記念日好きの中国では政治的な意味で現役。労働者が団結して権利要求を行う日ですよね。北京に行きたくなってきました。
ところで、「常務委員の財産公開」「アイ・ウェイウェイや無実の人への迫害を止めろ」「信教の自由を保障しろ」などに混じって、「呉邦国は故郷に戻ってサツマイモを売ってろ」とあるのですが、これはどういう意味ですか。
*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。