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阿里山森林鉄道で脱線・転覆事故=中国本土旅行客5人が死亡―台湾

2011年04月28日

2011年4月27日昼、台湾の観光地・阿里山で森林鉄道の脱線転覆事故が起きた。27日午後10時時点で、5人が死亡、103人が負傷する大事故となった。死者はいずれも中国本土の観光客だった。

阿里山は台湾を代表する観光地(ウィキペディア日本語版「阿里山」)。標高2663メートルの大塔山をはじめ15の山々が連なる地域は国家風景区に指定されている。景勝と並び、有名なのが標高2500メートルまで上る森林鉄道だ(ウィキペディア日本語版「阿里山森林鉄路」)。日本統治時代に木材運搬用路線として建設されたものだが、現在では観光鉄道として利用されている。

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*画像は中国新聞網の報道

27日に事故が起きたのは嘉義駅を出発し70キロ進んだ地点。太さ92センチのクスノキが倒れ、列車の5両目と6力目にぶつかった。そのショックで7両目と8両目が脱線、転覆した。危険な木のチェックを怠っていたのではないかと鉄道側の責任を問う声も上がっている。

阿里山森林鉄道は、険しい山を登っていくだけにこれまでにも多くの事故が起きている。

・1978年、嘉義駅から54.6キロ時点で転覆。速度超過と定員超過が原因。20人が負傷。
・1981年、トンネルが倒壊し列車が下敷きに。9人死亡、13人負傷。
・1985年、砂利を運ぶ貨物列車が嘉義駅から36キロの地点で山壁と衝突。列車長が死亡した。
・2003年、ブレーキシステムの故障により列車はカーブを曲がりきれず山壁に衝突。4両目が谷底に転落した。17人死亡、205人負傷。
ウィキペディア繁体字版「阿里山森林鉄路」参照
2008年夏の台風により森林鉄道は大きな被害を受けた。2010年4月に公営化し路線の修復が進められていた。来年にも完全復旧が予定されていた矢先に起きた大事故は、今後の運営方針にも影響を与えるものとなりそうだ。

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