中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年04月28日
城管ってなに?
「城管」、すなわち都市管理局ですが、どういうお仕事をする人々なのでしょうか。対応する部署がない日本人にはちょっぴり理解が難しいのです。
百度百科で
は、「我が国現在の法体制の下、従来の多頭法執行による重複を避けるため生み出された綜合法執行機関」というなんだか難しい説明がありますが、簡単に説明
すると、無認可屋台の取り締まり(工商局の管轄)、ゴミのポイ捨て取り締まり(環境保護局)、駐車違反(警察)などなど政府各部局の汚れ仕事を一手に引き受けている部局。暴力的な執行が多いこと、法的根拠がないことなど多くの問題を抱えています。
いつものパターン、じゃなかったケンカの原因
事件の発端は「商店がお店の外、道路にまではみだして冷蔵庫を置いていたこと」。なるほどなるほど、無認可屋台の取り締まりのパターンね。よくあるパターンです。中国とか(池袋中華街とか)、お店の軒先からはみ出して道路にまで冷蔵庫やら棚やらを展開しているケースというのはありふれているのです。
で、城管がそうした屋台やら小店舗を説教。備品を押収、トラックでどっかに持って行くことになるわけですが、時にお店側が歯向かってケンカになるという。しっかし、押収された備品、気づいたら元の店に戻っているような気がするのですが。罰金を払えば返してくれるのか、裏でごにょごにょすると返してくれるのかよくわからないけど……。
などと思っていたのですが、今回の事件はちょっと事情が違うようでして。城管が問題の冷蔵庫をトラックに積み込もうとしたところ、「俺らが水買うまで待てや」と因縁をつけてきた若人たちとのバトルが発生。若人たちは酒に酔っていたとの話もありますが、ともあれ激しい殴り合いが展開され、若人の一人はぐったり動かなくなるほどのありさまに。冷蔵庫を押収されるお店の人までが「私のためにケンカはやめてー」と仲裁に回っていたというから、なんとも不思議な光景です。
野次馬とネット検閲
さて、若人と城管のバトルの周囲には数百人の野次馬が集結したそうで。中国野次馬文化の極み、でしょうか。で、今はみんながカメラ付き携帯電話を持っているので、またたく間に写真付きの書き込みがネット掲示板に飛び交ったという次第です。
大手ウェブメディアは、この深夜の大乱闘を早速ニュースにしていましたが、今や軒並みネット検閲の餌食となって削除されています。「城管が無辜の市民を殴った」とかのニュースならばわかりますが、若人に因縁付けられてバトルっていうのも検閲されちゃうのかとこの点もちょっと驚きです。