中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年05月02日
私自身も「一人で産もうと考えている」と、30代前半の幼馴染から相談を受けたことがあります。相手がすでに結婚している人だったので「であれば子供だけでも」と彼女は考えたようです。
あくまでもタチアナのイメージですけど、日本人の両親が年頃の娘に「子供だけでも作ってきて」というアドバイスをする場面を私は想像できません。日本では未婚の母やシングルマザーに対してはまだまだ風当たりが強いと思います。しかし、ロシアではよくも悪くも母子家庭が「普通」であり、周りからヘンな目で見られることはないです。むしろ「いろいろあったんだろう」と同情してもらえます。
一方「結婚もしないで子供もいない」女性はおせっかいなおばちゃんたちの「餌食」になってしまうのはほぼ間違いないです。そして、言われることは決まって「子供だけでも産んでおきなさい」と。
そういうアドバイスの背景に「いつまででも一人でいるより、子供と二人で暮らした方が人生が充実する」という発想があると思います。
ちなみに、結婚をあきらめて子供を産むことをロシア語で «родить для себя»自分のために産む)と言います。そして、子供を産むアドバイスの根拠として老後への不安を表わす下記の決まり文句もよく登場します。
«иначе в старости некому будет стакан воды подать»
(そうしないと老後、水一杯さえ持ってきてくれる人がいないんだよ)
「子供を作るにも相手が要る。そういう相手が見つけられるんだったら、結婚だってできるんじゃない?」と、ある日本人の女の子に聞かれたことがあります。タチアナにもよくわかりませんけれども、「好きになった人がすでに結婚していた」とか「恋愛する分にはいいけど結婚となるとこの相手はちょっと…」等など、結婚できない(またはしたくない)事情は女性によって違うでしょう。
日本では「結婚しないだろう」と思った女性はマンションを買う。
ロシアでは「結婚しないだろう」と思った女性は子供を産む。
う~ん・・・ちょっと乱暴な比較かな?
PS:ロシアでは「結婚」と「子供」が別物と気づいたきっかけについては、記事「結婚と子供について」の中で取り上げています。
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。