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「多くのチベット人がある種の政治的津波により命を失った」護国寺法王記者会見―チベットNOW

2011年05月02日

護国寺法王記者会見「多くのチベット人がある種の政治的津波により命を失った」

4月29日、東京の護国寺では法王による被災地に向けての特別モンラムが行われ、短かったが素晴らしい日本人へのメッセージが語られた。参加された人も多かったと思う。

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ブログ西藏:在破碎与完整之间より。

法王は法要に先立ち同じ護国寺で記者会見を開かれていた。日本のメディア各社はそのときの会見の記事を発表されている。ではあるが、なぜか日本語では伝えられていない部分もあるようだ。

*当記事はブログ「
チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。

例えば、Tibet Timesのチベット語版には、法王がチベットの現状を問う質問に対し「今、チベットの状況は非常に緊迫している。仏教や言語が完全に失われる危機に瀕している。同様に環境破壊もひどい。だから、メディアの人々は必ずチベットに入り本当の状況を調査することが大事だ」とおっしゃったと報告されている。

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また、毎日新聞英字版(共同には、「チベットではある種の文化的ジェノサイドが行われている」「多くのチベット人がある種の政治的津波"some kind of political tsunami"により命を失った」と法王が発言したと書かれている。


ンガバ・キルティ僧院の現状/その他のデモ・逮捕

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*デリーに向け歩くダラムサラ・キルティ僧院の僧侶たち。写真はブログ西藏:在破碎与完整之间より。追記:彼らは4月30日11時、デリーに無事到着した。

アムド、ンガバ・キルティ僧院の緊迫した状況は今も続いている。その他、アムド、カムの各地からデモや逮捕の報告が新しく伝えられて来ている。以下まず、キルティ僧院の状況を報告するとともに、最近亡命側に伝えられてきたデモ、逮捕の情報をまとめて報告する。

ンガバ・キルティ僧院では僧院内に駐屯していた武装警官隊は形の上では引き上げ、僧院の外からカモフラージュした一般車両に分散搭乗して監視を続けている。一方、僧院内には私服の保安員が増強され、厳しい「愛国再教育」も続けられている。僧侶たちはこの教育に疲れ、参加を拒否する者も出ているという。

今日入った情報によれば、新しくロプサン・クンチョック(28)他4名の僧侶が木曜日に逮捕され、また僧ツェリン・ダンドゥルが3月16日焼身自殺した僧プンツォを僧院内に運び込んだとして逮捕されたという。その他、数日前にはジグメという僧侶が逮捕されたという情報が入っている。

また、27日にはキルティ僧院僧侶の親族70~80人が身内の僧侶たちを心配し、約40台の車でゴロから僧院に駆けつけようとした。しかし、ンガバへあと数キロの地点で保安部隊に止められ、一時拘束。後、ゴロの警察に引き渡されたという。

*上記は29日付けRFA、30日付けPhayulを参照。

26日付けTCHRD(チベット人権民主センター)リリースによれば:4月16日、カム、デルゲ(徳格)のマーケットに続く橋の上で尼僧ジャンパ・ツォ(28)が1人で「チベットに自由を!」と声を上げ、道行く人にパンフレットを手渡したという。警官が駆けつけ、直ちに彼女は殴り倒され、逮捕された。彼女はダンゴにある尼僧院バダック・プンツォック・チュリンの尼僧。逮捕を知り家族がダンゴから駆けつけたが、警察は面会を許可しなかった。

昨日のVOTチベット語放送によれば:同じ16日、同じデルゲ、ザゴ郷で仏塔落成式の最中、突然3人の若者が「法王のチベット帰還を!チベットに自由を!独立が必要だ!」と叫びを上げたという。警官が3人を逮捕する際、激しい暴力を振るったので、廻りのチベット人が止めようとしたが、彼らも同じく殴られたと。

29日付けRFAチベット語版によれば:亡命側で新首相発表が行われた4月27日、この発表を喜んだとして、アムド、サンチュ(夏河)ラプラン僧院ཨ་མདོ་བླ་བྲང་དགོན་པに警官隊が入り僧侶15人を拘束した。

*当記事はブログ「
チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。



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