中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年05月03日
大手支持団体が相次ぐ不支持表明
これまで強力に支援していた国営企業労組が先月27日、「PAD首脳の考えは民意とは乖離している」としてPAD不支持を明言。また同じく実業家やいわゆる富裕層らが組織する平和を愛するタイ人グループ(ピンク服)が、「PADが事実をねじ曲げ、政治対立を煽っている」として資金援助を停止し、抗議表明を行いました。
このグループに関してはこれまでPADとの関係を否定していただけに、やはり大方の予想通り資金援助していたと言う事にまず驚きますが……。
*POST TODAYの報道。
加熱するPADの「鎖国主義」
これらは一重に今年に入りPADが、「任命制による民主選挙制停止」「鎖国主義」を主張しているからですが、PAD総会の動画を見る限り、彼らは外国人排斥や自動車登録制、クーデターによる政治浄化など、まるで北隣国と同じ様な主張を繰り返しています。元々タクシン政権非難を始めた時の動機も似た様な物でしたが、ここに来て他の支援者を気にする必要が無くなった為に本来の主張が顔を覗かせたと言ってもいいかもしれません。
それを受けて混乱しているのが、元々PADの政治闘争のために設立された新政治党。支持母体PADから選挙へのボイコットを指示され次期総選挙への参加・不参加で揺れています。新政治党は総選挙への参加を主張していますが、PAD首脳は「国を改革する為には国を閉じるべきだ」「選挙に拠らない政権樹立=クーデター」を主張。サウィット新政治党事務局長は「我々の政治理念とは相容れない」として混乱が続いています。
*POST TODAYの報道。
選挙目前、双方の動きが活発化
アピシット首相は今月初めのメーデーに参加し、再度年内の最低賃金大幅値上げを有権者に示す(*Bangkok Postの報道)など、有権者取り込みに力を入れる一方、不敬罪の名の下にタクシン派コミュニティー閉鎖に躍起になっています。守旧派民主党とタクシン派プゥア・タイ党、支持率が拮抗する中、双方共に動きが活発化しています。
*当記事は5月2日付ブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。