中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年05月09日
あらすじ
11歳の少年・ロロは「機戦王」というゲームに夢中。ある嵐の夜、母親の目を盗んでゲームを遊んでいると、雷とともにゲームの世界の中に取り込まれてしまった。そこでロロはゲームのキャラクターである巨大ロボット・霹靂火と出会う。レベルが低く、ザコ敵に追い込まれる霹靂火。ロロは卓越したゲーマー力を発揮し力を貸す。この世界のことを知り尽くしたロロこそ、機車族を勝利に導く伝説の王「機戦王」に違いない。霹靂火はそう確信するのだった。
用語
・サイバトロン機車族:車やブルドーザー、ヘリなど乗り物からロボットにトランスフォーム変身する一族。
*シーン転換の時に映し出される機車族、機獣族のエムブレム。初めて見たのに激しく懐かしい。
・デストロン機獣族:動物やモンスターからロボットに変身する一族。
・エネルゴンキューブ紫水晶:ロボットのレベルを上げるパワーを秘めた鉱石。
・戦機王:ロロが遊んでいたゲームのタイトル。またはゲーム世界における伝説の王。
・必殺技:名のあるロボットはみな必殺技を持っている。霹靂火の「雷霆半月斬」など。
・主人公ロボ:乗用車から変身する霹靂火。パトカーから変身する急先鋒。ヘリから変身する龍竜巻。飛行機から変身する超音速。ブルドーザーから変身する力覇天。バギーから変身する衝撃波。
・機獣族三元帥:ゴリラから変身する狂野猩、トラから変身する猛虎王、ドラゴンから変身する暴龍神。
見どころ
(1)巨大ロボット武侠物
中国には「武侠」という小説ジャンルが存在します。簡単にいってしまえば、カンフー時代劇。ロボットはまんまトランスフォーマーですが、アクションやストーリーはまんま武侠小説。
*乗用車ロボの住む街に迫る機獣族の大軍。残されたロボットは老人、子ども、病人ばかり。でも、みんな同じ形をしているので、誰が老人で誰が子どもなのかさっぱりわかりません。
*大軍の指揮を取るのは金鉄獣。ザコの黒獣鉄とたんなる色違いに見えますが、侠気あふれる猛将です。北斗の拳的乗り物(?)もイカス!
巨大ロボットと武侠物は食い合わせがいい……ということもなく、お互いがまったく融合することなく、それぞれ自己主張。なので、意味不明なシーンが続出しますが、その違和感を楽しめます!
(2)侠気大爆発!
*金鉄獣の必殺技・極光神風爪。ザコロボットと色違いの中ボスなのに、やたらとカッコイイ。
キャラクターの性格付けは基本、武侠小説モードなので、みんな時代がかっているというかキャラが濃いのがすばらしい。特に主君・狂野猩を救うために命を賭けて戦う金鉄獣は泣かせます。正義のロボットたちも「やつは漢だ!」と感動。思わず助太刀に入り、要らないピンチを招いたり。
(3)空気を読めない主人公
ロボットたちが武侠物の世界を生きているのに、一人、しれっとしているのが主人公のロロ。正義のロボに「おまえじゃ敵のボスに勝てないよ。まずザコを倒してレベルを上げようぜ」とさらっと行ってみたり、「おらたちが生まれ育ったこの街、絶対に死守する」と決意を固めるロボ達に、「今のレベルじゃ勝てないから城捨てて逃げようぜ」と言ってみたり。
*「サイバトロン戦士トランスフォーム機車戦士変形」と決めぜりふを叫ぶ主人公ロロ。
たまに「いつになったらパパやママと会えるのかな」などとホームシックになるのですが、この世界で死んだら自分はどうなるのだろう、といった疑問は浮かばないようで。あくまでゲーム感覚。ロボットが死んでもまったく感情的にならない冷酷、冷血、冷徹の氷の軍師っぷりを発揮しています。
これが伏線となって、中盤にでも「この世界はゲームじゃない!ロボット達は生きているんだ!」とか気づくエピソードがあれば、神展開だと思うのですが……。さらにこの世界の誕生の謎やら目的を説き明かすような方向に話が向かえば……とかいろいろ妄想できるのですが、どうやらそういう方向には行かなかったようで(自分は10話でストップ。全話あらすじには目を通しましたw)。
とまあ残念な部分もあるのですが、とはいえ、ロボットと武侠物という美味しいもの同士の組み合わせ、そういわばカツカレーのような作品といいましょうか。ちょろちょろっと見てみても結構楽しいですよ。特に中国語勉強中の方はセリフもゆっくりでオススメ……かも。
「ロロの冒険記」はこちらから!
洛洛历险记