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2011年05月12日
ダメダメ警備とスピード捜査
8日午後10時、巡回中の警備員が故宮博物院内部で怪しい人間を発見。ところが報告している間に男は逃走してしまった。気になる侵入経路だが、壁に穴を開けたわけではなく、開館中に客として入り込み隠れていただけだったという。
翌9日、開館直前になって初めて展示品の盗難が発覚。怪しい男を見かけたのに展示品を確認していなかったという怠慢ぶりだ。9点が盗まれていたが、うち2点は犯人が落として故宮博物院内部に残されていた。一部が破損してしまったという。
ネットで盗難が暴露され騒ぎとなるなか、警察はすばやい捜査を敢行。国の威信を賭けての大捜査態勢が組織された。11日午後7時40分、北京市豊台区のネットカフェに表れた犯人を逮捕。何が犯人特定の決め手になったのか、警察は明かしていないが驚くほどのスピード解決となった。
ダメ警備の博物館は開館するな!
11日、国家文物局は緊急通達を発表。規定レベルの警備体制が実現できない博物館については開館しないよう命じている。とはいえ、天下の故宮博物院でこのダメ警備っぷりと考えれば、どこも開館できなくなってしまうように思うが……。また、警備員の数を全職員の10%以上にせよと指示している。