中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年05月17日
重要な公務というのは疑わしい。5月8日は日曜日で、当時は深夜だった。「重要な公務」など出来るのか。この指導者に本当に緊急の公務があるなら、特別機を用意して他の乗客に知らせなければいいのだ。
空港職員が「幹部には優先搭乗権がある」と発言
一般乗客の不満はこれだけでは終わらない。世論の批判に対し、寧波空港職員は「民間航空の重要な旅客保障の関係規定により、副部長クラス(副大臣)以上の幹部を重要旅客と認定し、条件が許す限り、優先搭乗できる規定がある。寧波空港はその規定を執行したまでだ」と答えたのだ。
件の幹部は先発のHU7197便への振り替えを空港側から打診されたものの、「安全」を理由に拒否して、HU7297便を先に飛ばさせて北京に向かった。空港職員の言う規定とは、1993年に出された『重要旅客が民間航空機に乗車した場合の運輸服務工作に関する規定』。副部長級以上の官僚及び少将以上の軍人にのみ適用されるものだ。
ただし、規定には「重要旅客は勝手にキャンセルしたり変更できない。もし変更する場合は事前に連絡し、適切に処理しなければならない」とあり、空港職員の説明にあったような「優先搭乗」や「搭乗する便の優先出発」などは規定にはない。
では、なぜ寧波空港の職員は「幹部には優先搭乗権がある」と口走ってしまったのか。
プレッシャーに負けた失言が発端か
その場に居合わせた乗客が微博で現場の状況を伝えているのですが、飛行機が更に遅れると知った乗客に詰め寄られた職員が、幹部と乗客両方からのプレッシャーに負けて逆ギレして、ある事ない事言ってしまったというのが真相ではないかと。
13日に寧波空港の総経理が謝罪文を空港の公式サイトに載せたのですが、幹部については一切言及されず、遅延後の処理が甘かったと説明するに留まっています。幹部の身元は、誰かが人肉捜索をしてくれるでしょうからそれを待つことにします。「重量級幹部」と表記されているので、これは結構な大物がひっかかるかもしれません。
*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。