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2011年05月21日
家族も拘束され拷問、妻は寝たきりの状態に
彼が逮捕された後、当局は彼の妻や子供、親戚たちも拘束し拷問を加えている。3月20日には彼の妻ドゥンゴが、22日には娘のメトが拘束された。2人は尋問の間にひどい拷問を受け、4月2日に解放されたが、妻のドゥンゴはそのとき重体であった。親戚の者たちが急いで彼女を病院に運び込んだが、当局は彼女が治療を受ける事も許可しなかった。しかたなく家につれて帰ったが彼女は今も寝たきりの状態だという。
ゲリックと親交のあった者たちは自分たちも拘束されるのではないかと恐れ、多くの者が逃亡した。彼らの消息は途絶えたままだという。妻ドゥンゴの甥であるキルティ僧院の僧侶ロブサン・ツェリン(24)も3月16日以降行方不明になっている。
キルティ僧院で行われる「愛国再教育キャンペーン」
キルティ僧院では、現在僧院の外にいる僧侶たちの名簿が作られ、彼らは今後僧院に戻る事はできないと当局は命令している。空になった僧房のドアにはカギが掛けられ、「入室禁止」の張り紙が張られているという。
僧院ではダライ・ラマ法王を非難し中国共産党を讃えるという「愛国再教育キャンペーン」が続いており、毎日大勢の政府職員が様々な地区から呼ばれ参加しているという。
4月6日以降逮捕された僧侶は20人以上に
僧院では4月6日以降、現在までに20人以上の僧侶が逮捕されているという。5月6日にはキルティ僧院僧侶ロブサン・ケドゥップ(39)が逮捕された。逮捕理由や現在の所在は不明という。
世界中で亡命チベット人やサポーターたちがンガバ・キルティ僧院の困窮を和らげようとロビー活動を続けているが、現地では当局の厳しい監視や教育、逮捕が続いている。僧院内では見慣れない黄色い制服を来た武装警官が警戒にあたり、僧院の外では軍隊がトラックの中に隠れている。これらはもしも映像が撮られた時に明らかな証拠とならないようにとの当局の策略である。
参照、写真:5月14日付けTibet Timesチベット語版、及び5月16日付けphayul.com。
*当記事は5月16日付ブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。